令和8年2月市議会定例議会
1 はじめに
私たちが暮らすこの鈴鹿市は、万葉の時代より歌に詠まれた美しい自然と、古くから交通の要衝として栄えてきた歴史・文化を有しております。また、「モータースポーツのまち」として国内外で高い知名度を誇るとともに、ものづくり産業を中心とした確かな産業基盤を備えるなど、豊かな自然と人々の暮らしが調和する希望に満ちた都市でございます。
しかしながら今、私たちが直面している現実は、決して平坦な道のりではありません。
国際情勢の不安定化等に伴うエネルギーや原材料、食料価格の高騰、気候変動による自然災害の激甚化など、市民生活を取り巻く環境は依然として不透明な状況にあります。とりわけ、長引く物価高騰への対応につきましては、先の臨時議会において、関連する補正予算を承認いただきました。これを受け、現在、速やかに事業に着手できるよう準備を進めているところであり、市民の皆様の暮らしを支え、地域経済の活力を守るための施策を、スピード感を持って、着実に実行してまいります。
また、全国的に進行する少子高齢化に伴う人口減少は、地域社会の持続可能性に対する喫緊の課題でございます。こうした人口構造の変化は、本市においても例外ではありません。地域経済の担い手不足や社会保障費の増大、さらには経済規模の縮小といった形で、私たちの生活基盤そのものを揺るがしかねない深刻な状況として、現実に迫ってきております。
加えて、デジタル技術の急速な進展やライフスタイルの多様化により、行政に対する市民ニーズもまた、複雑・高度化しております。
このような時代の転換期にあって、行政に求められているものは、変化を恐れて立ち止まることではなく、ピンチをチャンスとして捉え、果敢に未来を切り拓く「行動力」、そして「チャレンジ精神」であり、前例踏襲に安住することなく、未来を見据えて種をまき、その芽を着実に育てていくことが、行政の責務であると考えております。
振り返りますと、令和7年度は、まさに本市の未来への「種まき」を行った、大きな節目となる一年でございました。
東京事務所の設置は、その象徴的な取組の一つであり、ヒトやモノ、情報など、様々な経営資源が高度に集積する首都圏において、本市の魅力をダイレクトに発信するとともに、企業誘致や関係人口の拡大を強力に推進する「攻めの拠点」を築いてまいりました。すでに、これまでの枠組みを超えた新たなネットワークが生まれつつあり、本市のプレゼンスを高めるための足がかりを確かなものといたしました。
また、未来を担うこどもたちが将来に夢と希望を持って生きていけるよう、「鈴鹿市こども条例」を令和7年4月1日に施行いたしました。この条例は、こどもの権利を守り、社会全体でその健やかな成長を支え合うことを目的とするものであり、「こどもまんなか社会」の実現に向け、こどもに関する施策を体系的に推進するための確かな礎となるものでございます。
新たに迎える令和8年度につきましては、市民の皆様が住みやすさを実感できるよう、本年度にまいた「種」を確実に芽吹かせ、大きな実りへと結びつける「飛躍の一年」としなければなりません。また、「鈴鹿市総合計画2031」の後期基本計画を見据え、本市の目指すべき将来都市像「ひとがつながり DXで未来を拓く #最高に住みやすいまち鈴鹿」の実現に向けた歩みを、より一層加速させる、極めて重要な年となります。
総合計画では、人口減少抑止策と人口減少社会適応策を両輪とした「人口減少対策」と、デジタル化を手段として市民の皆様の生活をより良くするための変革を進める「DXの推進」に全力で取り組んでいくこととしております。
「人口減少対策」といたしましては、まずは、こども・子育て支援の更なる充実です。
私は、まちの活力の源泉は何よりも「人」にあると考えております。次代を担うこどもたちが健やかに育ち、質の高い教育を受けられる環境を整えることは、本市の未来を支える確かな基盤づくりにほかなりません。本市は、民間機関による調査におきまして、共働きで子育てしやすいまちとして、令和4年以降連続で非常に高い評価を受けております。さらに、新たに制定した「鈴鹿市こども条例」の理念のもと、全てのこどもが将来に夢と希望を持って生きることができる社会の実現を目指し、施策の展開を図ってまいります。
また、経営資源の獲得に向けた自治体間競争が激しさを増す中、ものづくりの技術やモータースポーツをはじめとする地域資源など、本市の強みを最大限に生かし、地域経済に新たな賑わいと活力を呼び込んでいかなければなりません。あわせて、まちの魅力を市の内外に積極的にプロモーションすることにより、シビックプライドの醸成や、東京事務所を核とした都市圏での関係人口づくりをさらに進め、「選ばれるまち・鈴鹿」の実現を目指し、邁進いたします。
そのほか、誰もが住み慣れた地域で健やかに、そして安心して暮らせるよう、医療・福祉の充実や防災・減災力の向上、さらにはインフラ整備や公共施設マネジメントなどにつきましても、歩みを止めることなく注力してまいります。
「DXの推進」といたしましては、行政の様々な分野において横断的にデジタル技術を取り入れることにより、市民サービスの質を飛躍的に高め、より良い暮らしと持続可能な社会の実現に向けた変革を着実に進めてまいります。
社会情勢の変化に的確に対応し、地域の力と創意工夫を結集した地方創生の取組に果敢に挑戦し、この鈴鹿市を活力にあふれる、誇りと希望を持てるまちへと、力強く前進させてまいります。
それでは、総合計画の基本構想に掲げました6つのビジョンに沿って、市政運営の基本方針及び予算編成に対する基本的な考え方を申し上げます。
2 市政運営の基本方針及び予算編成に対する基本的な考え方
子どもが輝き 人と文化を育むまち
市政運営の第一の柱は、本市の未来を担うこどもたちが健やかに育ち、誰もが個性と能力を存分に発揮できる環境づくりでございます。こどもが権利の主体として尊重され、生まれ育った環境に左右されることなく、自分らしく輝ける社会を築くことは、私たちが果たすべき最も重要な責務の一つです。こどもの意見を尊重し、その最善の利益を第一に考える「こどもまんなか社会」の実現に向け、本市では、子育て世帯に寄り添った様々な施策「すずっこまんなかプロジェクト!」を展開しており、今後もソフト・ハード両面から、こども・子育て支援と教育環境の充実を力強く推し進めてまいります。
そのためにも、まずは、こども施策に関する計画の策定でございます。全てのこどもや若者が、身体的、精神的、そして社会的に幸福な生活を送れるよう、こども基本法の理念に基づき、新たに「鈴鹿市こども計画」の策定に着手いたします。この計画は、本市のこども施策を総合的かつ計画的に推進するための指針となるものであり、策定に当たっては、こどもや若者の声を丁寧に聴き取り、しっかりと計画に反映してまいります。
次に、多様化する保育ニーズへの対応と、子育て家庭への支援につきましては、子育て世代の働き方やライフスタイルの変化により、休日における保育需要が高まっております。こうしたことから、私立保育所等における保育士の確保を支援するとともに、保護者が安心して子育てと仕事を両立できる環境を整えるため、祝日保育に係る新たな補助制度の創設や、放課後児童クラブの整備、こども誰でも通園制度の本格実施に取り組んでまいります。
加えて、就学前施設の老朽化対策につきましても、丁寧に協議を重ね、方向性を示してまいります。
また、子育て家庭の孤立や不安の解消についても喫緊の課題であり、保護者の負担を軽減し、虐待リスク等の高まりを未然に防ぐセーフティネットを構築するため、子育て家庭に寄り添い、家事や育児を直接支援してまいります。
さらに近年、集団活動や発音に課題を抱えるなど、多様な支援を必要とするこどもが増加傾向にあります。このため、言語聴覚士等による専門的な支援体制を強化するとともに、総合支援コーディネーターを配置し、就学前から学齢期に至るまで、途切れのない支援を行ってまいります。
次に、教育分野につきましては、変化の激しい時代を生き抜く力を育むため、より良い教育環境の構築を進めてまいります。その一環として、南部地域におきましては、令和8年4月、新たに「鈴鹿市立天栄小学校」を開校いたします。同校での取組を通じて、将来の「義務教育学校」への円滑な移行につなげてまいります。
学校施設につきましては、全ての小中学校において、屋内運動場へのエアコン設置を完了いたしました。今後は、鈴鹿市立長太小学校や若松小学校をはじめ、学校トイレの洋式化を着実に進めていくことにより、教育環境の更なる充実を図ってまいります。
そのほか、小学校では、児童が確かな水泳技能を習得できるよう、民間施設を活用した専門のインストラクターの指導による水泳授業を実施しており、一定の成果が見られましたことから、令和8年度は、実施対象校を13校に拡大いたします。また、休日の学校部活動につきましては、令和5年度から令和7年度まで実施してきたモデル事業の検証結果をもとに、令和8年10月から地域へ円滑に展開してまいります。
次に、文化振興につきましては、地域社会で活躍する多様な人材を講師として招き、幅広い分野の講座を展開するなど、市民アカデミー「まなベル」を拡充し、こどもから大人まで、全ての人が生涯にわたり学び、心豊かに暮らしていくための環境づくりを進めます。
また、令和8年度は、本市が、全国重要無形文化財保持団体協議会の会長市となりますので、関係団体とも連携し、技術の承継や伝統文化の継承を支援し、文化財等の保持を図ってまいります。
スポーツ振興におきましては、地域のブランド力を評価する民間調査において、本市が「スポーツのまち」として常に全国1位に選ばれるなど、モータースポーツをはじめ、スポーツは本市の誇るべきアイデンティティとなっております。さらに、この度、本市を本拠地とするバスケットボールチームの、Bリーグへの参戦も決定いたしました。トップアスリートのプレーを間近で体感できることは、市民の皆様に感動と活力を与えるとともに、地域の一体感を醸成し、本市への誇りと愛着を深めることにもつながると考えております。
こうした高まりを見せるスポーツ熱を追い風に、市民の皆様が安全かつ本格的にスポーツに親しめるよう、老朽化した運動施設の計画的な改修を進めるとともに、AGF鈴鹿陸上競技場の第3種公認更新に向けて取り組んでまいります。
健やかに いきいきと暮らせるまち
人生100年時代と言われる今日、市民の皆様が住み慣れた地域で、心身ともに健康で、生きがいを持って暮らせる社会の構築は、市政の最重要課題の一つでございます。誰もが生きがいや役割を持って、支え合いながら暮らしていくことのできる「地域共生社会」の実現に向けて、福祉施策の充実と健康づくりの推進に全力を挙げて取り組んでまいります。
複雑化する地域課題に対応するためには、行政だけでなく、地域住民や関係機関が一体となって取り組むことが不可欠です。
本市の福祉施策の指針となる「第3期鈴鹿市地域福祉計画」につきましては、社会情勢の変化やこれまでの取組の成果を検証いたします。市民の皆様の声に真摯に耳を傾け、誰もが孤立することなく、安心して暮らせる地域づくりを進めてまいります。
高齢者福祉につきましては、核家族化などに伴い、身寄りのない高齢者が増加傾向にあることから、こうした方々を対象とした相談窓口を整備し、終活情報の登録などの支援を行ってまいります。
次に、命と健康を守る医療体制の確保についてでございますが、安心してこどもを産み育てられる環境は、まちの未来を切り拓く基盤となります。近年、産婦人科など分娩取扱施設の減少が全国的な課題となる中、本市におきましても、安全・安心な分娩体制を維持することは先送りのできない課題となっております。このため、分娩を取り扱う市内の診療所等の運営を支援することで、妊産婦の皆様が身近な地域で安心して出産できる医療体制をしっかりと守り抜いてまいります。
また、国民病とも言われる「がん」への対策も強化いたします。市内基幹病院におけるがん診療用医療機器の整備に対する支援を拡充し、誰もが高度な医療を受けられる体制を確保いたします。あわせて、40歳未満のがん患者の方が、住み慣れた自宅で、自分らしく安心して日常生活を送ることができるよう、在宅療養に係る経済的負担の軽減を図ってまいります。
健康づくりの推進につきましては、生活習慣病が増加傾向にある中、市民の皆様の「健康寿命の延伸」が極めて重要な課題となっております。コロナ禍を経て、健康への関心はこれまで以上に高まっております。こうした状況を踏まえ、心身の健康づくりに関する正しい知識の普及啓発に一層取り組み、市民の皆様がいつまでも健やかに、いきいきと暮らせるまちの実現を目指してまいります。
生命と財産を守り抜ける 安全・安心のまち
市民の皆様のかけがえのない生命と財産を守り抜くことは、市政の最も基本的かつ重要な使命の一つでございます。令和6年8月に「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたことは、驚きとともに、私たちが直面している危機が決して遠い未来の話ではなく、「今、ここにある脅威」であることを強く再認識させました。
こうした中、国は、令和7年3月に南海トラフ地震の被害想定を、9月には発生確率を更新しており、これに伴い三重県においても、現在、被害想定の見直しが進められております。
大規模地震をはじめ、激甚化・頻発化する台風や集中豪雨から市民を守り、誰もが安全・安心に暮らせるまちを築くため、防災・減災力の強化に加え、橋梁の耐震化など、災害に強い都市基盤の整備を引き続き全力で推進してまいります。
災害時における迅速かつ正確な情報伝達は、市民の皆様の避難行動を支える要となります。そこで、防災DXを加速させるため、新たな「総合防災情報システム」を導入することとし、令和10年度の運用開始に向け、整備を進めてまいります。また、南海トラフ地震の被害想定の見直し等を踏まえ、避難所等の必要な情報を分かりやすく掲載したハザードマップを更新し、市民の皆様の日頃の備えと防災意識の向上につなげてまいります。
避難所の環境整備につきましては、平田野中学校に「防災井戸」を整備するなど、避難された方の安全と安心を確保してまいります。
次に、地域の安全確保につきましては、犯罪を未然に防ぎ、地域の防犯意識の向上を図るため、自治会等に対し防犯カメラの設置費用を補助することで、地域の防犯活動を支援してまいります。
また、令和8年4月から、津市及び亀山市とともに、「三重中央消防指令センター」での指令業務の共同運用を開始いたします。現在、本格稼働に向けた仮運用を行っているところであり、3市の広域連携により指令業務の効率化を図るとともに、相互応援体制を強化してまいります。
市民生活や産業活動を支える幹線道路は、災害時の避難や物資輸送の生命線でもあります。令和5年11月に中勢バイパスが全線開通し、本年3月には鈴鹿環状線「磯山バイパス」が全線開通を迎え、新たな道路ネットワークが構築されます。これにあわせて、「汲川原橋徳田線2期事業」の整備を着実に進め、大幅な移動の円滑化を図ることにより、地域の活性化と生産性の向上につなげてまいります。
また、新名神高速道路をはじめとする高速道路網と連結する「鈴鹿亀山道路」や、国道1号と国道23号のダブルネットワーク化を実現する「鈴鹿四日市道路」の早期整備につきましても、積極的に国へ働きかけ、道路網の更なる充実に取り組んでまいります。
このほか、中勢バイパスと事業中の鈴鹿四日市道路を結ぶ「末広千代崎線」の拡幅整備を進め、交通アクセスの強化と利便性の向上、道路利用者の安全確保を図ってまいります。
自然と調和し 快適な都市環境を未来へつなぐまち
本市の豊かな自然環境は、先人から受け継いできたかけがえのない財産です。この美しい環境を次世代へと確実に引き継ぐとともに、市民の皆様が快適に、そして安心して住み続けられる持続可能な都市基盤を整えるため、ゼロカーボンシティの実現に向けた取組をさらに推進してまいります。
その取組の一例として、公共施設の照明器具について、計画的なLED化を推進いたします。
市民生活を支える環境衛生施設の整備につきましては、現在事業を進めているクリーンセンターの整備をはじめ、今後計画している斎苑の改築に向け、施設整備の方向性を定めるほか、清掃センターや不燃物リサイクルセンターにつきましても、施設の現状をしっかりと見極め、今後必要となる更新に向けて、計画的な検討を行ってまいります。
高齢化等に対応した新たな施策といたしましては、家庭ごみを集積所まで持ち出すことが困難な高齢者や障がい者の方を対象に、職員が戸別訪問して回収を行うごみ収集福祉サービス、「ふれあい収集」を導入してまいります。
次に、将来を見据えた都市づくりと交通ネットワークにつきましては、少子高齢化に伴う人口減少が進む中、持続可能な都市構造を維持するため、居住機能や医療、福祉、商業などの都市機能を誘導し、コンパクトで住みやすいまちづくりを促進する「立地適正化計画」の策定を進めてまいります。
あわせて、「鈴鹿市地域公共交通計画」の改定に着手し、まちづくりと連携した地域公共交通ネットワークの構築に向け、地域における輸送資源の有効活用、バス情報のデジタル化といったDXや新たな技術を用いた利用促進の取組など、本市の実情に即した持続可能な交通の在り方を定めてまいります。
市民の憩いの場である公園施設につきましては、老朽化に対応した安全確保と長寿命化措置を講じ、計画的かつ効率的な更新を図ってまいります。また、更なる賑わいを創出し、関係人口や交流人口の拡大を図るため、官民連携の手法を積極的に取り入れ、魅力ある利活用を推進いたします。
上下水道事業では、事業の目指すべき方向を定めた「ビジョン」や「経営戦略」の改定に取り組むとともに、下水道事業への「ウォーターPPP」の導入に向けた準備を加速いたします。こうした取組を通じ、市民生活を支える強靭なライフラインを将来にわたって守り抜いてまいります。
持続可能な産業の発展と にぎわいや交流が生まれるまち
恵まれた産業集積や豊かな地域資源を有する本市が、将来にわたり持続的な発展を遂げていくためには、地域経済の活性化を図るとともに、安定した雇用を確保し、賑わいと交流を生み出していくことが不可欠でございます。
企業誘致につきましては、本市の強みである充実した道路ネットワークを最大限に生かし、更なる企業立地を促進してまいります。
鈴鹿PAスマートICにおきましては、ダブル連結トラックが通行できるよう整備を進め、物流の効率化による市内製造業等の生産性向上を図ってまいります。
また、本年度創設いたしました「産業用地開発支援事業補助金」の活用を促進するほか、企業のニーズに即した産業用地を確保するため、関係法令の効果的な運用に向けた検討を進めてまいります。
あわせて、市内産業の屋台骨である「ものづくり企業」への支援も強化いたします。本市が誇る優れた技術力を広くPRすることで、新たなビジネスチャンスの創出につなげてまいります。
雇用の拡大に向けた取組につきましては、誰もが安心していきいきと働くことができる環境を整えるため、産学官が連携した「鈴鹿deはたらこっ!プロジェクト」を引き続き推進いたします。中でも、UIJターン就職につなげるための就職フェアにつきましては、これまで東京で開催してまいりましたが、新たに大阪でも実施いたします。関西在住の若者をはじめ、幅広い世代の方々にアプローチし、本市での就職や転職、そして移住・定住への確かな流れを作ってまいります。
次に、農林水産業の振興につきましては、全国有数の産地を形成する本市の農業を、将来にわたり発展させていくため、農地の集積・集約化や生産性向上につながる農業基盤整備を引き続き進めてまいります。また、スマート農業や栽培の省力化につながる新たな技術の導入を後押しするとともに、お茶、植木をはじめとした特産物や、イチゴやブドウなど新たな品種や品目の栽培に挑戦する若い農業者を積極的に支援いたします。
さらに、こうした施策とあわせて、地産地消の取組を進めることで、魅力あふれる「すずか産農林水産物」の生産と消費が一層活性化し、産地化やブランド化につながるよう、持続可能で活力ある農林水産業の実現を目指してまいります。
また、本市には、鈴鹿墨や伊勢型紙などの伝統的工芸品などの誇るべき特産品もあり、これらを活用した販路開拓等を支援することで、事業者の稼ぐ力を後押しし、地域資源の魅力発信とブランド力の向上を図ってまいります。
本市最大の地域資源であるモータースポーツについて、本市は、全国で唯一のモータースポーツ宣言都市として、その知名度や強みを生かした施策を推進してまいりました。中でも、F1日本グランプリにつきましては、官民35団体で構成する「鈴鹿F1日本グランプリ地域活性化協議会」を平成20年に組織し、周辺環境の整備やおもてなしの向上による地域活性化に取り組んでまいりました。今後は、これまでの取組をより拡充するための組織体制を整備するとともに、三重県や関係事業者とも一層の連携を図り、ホスピタリティあふれる取組を展開いたします。こうした取組を通じて、関係人口や交流人口の拡大を図り、地域経済の活性化につなげるとともに、市民の皆様の本市への愛着と誇りを醸成してまいります。
みんなで支える 自分らしく生きるまち
これまで申し上げてまいりました施策を確実に推進し、本市が将来にわたり持続的な成長を遂げていくためには、市民や地域が自ら課題を解決する力である「市民力」と、行政が成果を重視した経営を行うために必要な力である「行政力」――この双方を高めていく必要がございます。
「市民力の向上」につきましては、地域づくり協議会をはじめとする様々なまちづくりの主体と、これまで以上に連携を深め、地域課題の解決に向けた協働の仕組みの強化を図ってまいります。あわせて、市民の皆様の市政への参画を積極的に促すことにより、シビックプライドの醸成につなげてまいります。
また、互いを尊重し合う地域社会の実現に向け、人権に関する市民意識調査を実施するほか、女性の活躍を後押しするためのデジタル人材の育成や就労支援、オンラインを活用した日本語教育の拡充による言葉の壁のない多文化共生を進めるなど、多様な視点から、誰もが自分らしく活躍できる環境づくりを推進いたします。
次に、「行政力の向上」につきましては、急速に変化する社会情勢や、少子高齢化に伴う人口減少により、本市が直面する政策課題は年々複雑化しております。こうした課題に迅速かつ的確に対応し、質の高い市民サービスを安定的に提供し続けるためには、強固な行政基盤の構築が不可欠です。
中でも、喫緊の課題である人口減少対策につきましては、外部有識者等の知見を取り入れ、より包括的かつ効果的な対策を講じるため、本年度、「鈴鹿市人口減少対策会議」を開催いたしました。引き続き、同会議より御意見を伺い、後期基本計画の策定につなげてまいります。
また、首都圏をはじめとする大都市圏や、特に若者をターゲットにしたプロモーションにつきましても、引き続き注力いたします。東京事務所を拠点として、国や民間企業、大学等とのネットワークづくりを一層進めることにより、移住・定住の促進や、関係人口の拡大、企業誘致、補助金や企業版ふるさと納税による寄附金の確保など、更なる経営資源の獲得に向け、戦略的に取り組んでまいります。
激しく変化する時代において、市民生活の利便性向上と行政事務の効率化を図るためには、DXの推進が不可欠であり、窓口での申請書記入を不要とする「書かない窓口」の実現や、行政手続のオンライン化、生成AIの更なる活用など、デジタル技術による変革を加速してまいります。
行財政運営につきましては、限られた財源を最大限に生かし、将来にわたり持続可能な市政を実現するための財政運営を堅持するとともに、効率的かつ効果的な行政経営を推進してまいります。
老朽化する公共建築物やインフラへの対応といたしましては、公共施設マネジメントをより一層推進するとともに、公共工事等のガバナンスの強化と、技術職員のスキル向上を図るため、令和8年4月に技術監理部を設置します。
そして、「組織は人なり」と申しますように、これらの取組を推進する原動力となるのは、職員一人ひとりの力であり、それを結集した組織力です。
令和8年度の運用開始に向け、現在策定を進めております「鈴鹿市人材育成・確保基本方針」に基づき、企画力や法務能力といった政策形成能力をはじめ、職務遂行能力、コミュニケーション能力、さらにはデジタルスキルの向上など、これからの時代に求められる職員の育成を図ってまいります。特に若い職員が自由な発想を生かし、失敗を恐れず積極的にチャレンジできる風土を醸成するとともに、変化する社会情勢に柔軟かつ的確に対応できる人材を育むことで、市民の皆様から信頼される組織づくりに注力いたします。
今後は大学や企業との包括連携の仕組みも一層活用し、民間ならではの新たな視点や若い世代の柔軟な発想を、広く市政に採り入れながら、「市民力の向上」と「行政力の向上」を図り、市民の皆様の期待と信頼に応える市政運営に邁進してまいります。
3 むすび
私たちは今、時代の大きな転換点に立っています。人口減少の加速化や自然災害の激甚化、さらには価値観の多様化など、こうした潮流の中で、これまでの常識や社会の前提が問い直される、まさに予測困難な時代を迎えております。
このような時代だからこそ、社会環境の変化を本市の新たな成長の契機として柔軟に受け止め、未来を見据えて、果敢に行動する市政を進めてまいります。
そのためには、市民の皆様一人ひとりの思いと、地域で育まれてきた温かいつながりこそが、市政を支える力になると考えております。
自然、歴史、文化など、今ある資源や魅力を生かしながら、これからの時代に合ったものを積極的に取り入れていく。こうした持続可能なまちづくりを、地域の声にしっかりと耳を傾けながら、市民の皆様とともに進め、誰もが「住みたい」「住み続けたい」と思えるような、「最高に住みやすいまち」の実現に向け、鈴鹿の未来に大きな希望を紡いでまいります。
引き続き、市政運営に対する決断力とリーダーシップを発揮し、力強い行政経営を進めてまいりますので、市議会の皆様並びに市民の皆様の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げ、私の施政方針といたします。
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