令和4年2月市議会定例議会

ページ番号1010049  更新日 2024年1月23日

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 令和4年2月市議会定例議会の開会に当たり、市政運営の基本方針及び予算編成に対する基本的な考え方について申し述べます。

1 はじめに

 2020(令和2)年1月に端を発した新型コロナウイルス感染症が社会の脅威となり、早3年目を迎えました。本市においても市民生活に大きく影響を受けていることから、2020(令和2)年度、2021(令和3)年度において、独自に、あるいは国の交付金を活用して、市民の皆様や事業者の皆様への感染症対策、生活支援策、経済対策などを講じてまいりました。

 現在、新たな変異株であるオミクロン株への感染が拡大し、極めて短期間で全国的に感染者が急増することで第6波に至り、三重県内においても「まん延防止等重点措置」が適用され、本市は重点措置区域になり、今もなお予断を許さない状況であります。

 この間、最優先課題である感染症対策に御協力をいただいている市民の皆様、事業者の皆様に感謝申し上げます。

 また、ワクチン接種及び感染拡大防止に、御尽力をいただいている鈴鹿市医師会をはじめとした、本市の医療、保健、介護を支える多くの方々に衷心より敬意を表しますとともに、深く感謝を申し上げます。

 特に、ワクチン接種については、2021(令和3)年2月に庁内に新型コロナウイルスワクチン接種推進課を新設し、推進体制を整備してから、集団接種と個別接種を併用することで、希望する方々に速やかに、かつ、円滑に受けていただく事ができました。

 3回目の追加接種については、前倒しの運用が求められていることから、年齢を問わず、2回目終了後6か月が経過した方を対象に、接種券の発送を進めております。

 この追加接種についても、集団接種と個別接種を併用して取り組んでおり、スムーズに予約をしていただけるように、電話とインターネットでの予約に加えて、2か所の集団接種会場に予約相談センターを開設し、インターネット予約の補助や個別接種の医療機関の紹介といった支援体制の充実に取り組んでおります。

 また、5歳から11歳までの方へのワクチン接種については、本年3月にワクチン供給が開始される見込みであることから、すぐに接種を始められるよう、体制の整備と接種券の発送を進めてまいります。市民の皆様には御理解をいただき、速やかなワクチン接種に御協力をお願いいたします。

 また、鈴鹿市議会におかれては、2020(令和2)年度から継続的に、本市の新型コロナウイルス感染症の検査及びワクチン接種体制、感染症対策、経済対策並びに情報発信などについて、度重なる御審議をいただきました。

 市議会の皆様とは、情報を共有し、意見交換を行いながら、更なる感染防止の徹底や、スピード感をもった経済対策、生活支援策を進めてまいります。

 2022(令和4)年度は、これまでの対策に加え、ICTの活用や、オンライン化といった、新しい生活様式への対応についても、国の交付金等の財源を活用しながら、市民の皆様の生活を守る取組を推進してまいります。

 私は市長に就任してから、未来を担う世代のために、子育て支援策に積極的に取り組んでまいりました。その中でも特に3歳までの乳幼児を対象とした、子ども医療費の窓口無料化を三重県内で初めて実施いたしました。

 このことによって、病院を受診する機会が多い乳幼児の疾病の早期発見、早期治療、重篤化の防止と、子育て世帯の経済的負担の軽減を図ることができました。

 さらに、この取組の成果を充実させるために、この度、子ども医療費の窓口無料化の対象を現在の未就学児から、中学生までに拡大いたします。

 また、2023(令和5)年度からの子ども医療費の所得制限撤廃に向けた準備を進め、子どもたちの健やかな育ちへの支援と子育て環境の整備に取り組むことにより、少子化対策にもつなげてまいりたいと考えております。

 学校教育においては、GIGAスクール構想に基づく教育ICTとして、小・中学校の児童・生徒一人一台のパソコンの配備を2020(令和2)年度に完了し、昨年9月の「緊急事態宣言」時には、この端末を活用して学校と家庭をつないでオンライン授業を実施するなど、新しい生活様式に対応した教育環境の充実により、学びを止めることなく、授業を進めることができました。

 今後も、ICT機器を活用しながら学力の保障に向けた取組を充実させてまいります。

 また、長期欠席の児童・生徒への支援策として、通常の授業の模様をオンライン配信することで、自宅や別教室で授業を受けられる取組を実施いたしました。今後は、スクール・ライフ・サポーターによる登校支援に加えて、このような教室の雰囲気に慣れるという環境面からの支援の取組を強化し、学校生活への復帰につなげてまいります。

 さらに、私が積極的に取り組んできたこととして、多文化共生の推進がございます。本市は、全国有数の外国人集住都市であることから、外国人市民の皆様への支援も重要と捉え、多言語による情報発信や不登校、不就学の外国人児童・生徒への就学支援教室の設置などに取り組んでまいりました。

 本年1月28日には、外国人集住都市会議の座長として、「外国人集住都市会議SUZUKA2021」をオンライン形式で開催し、外国人市民の皆様が生活者として、日本人市民の皆様と同様に暮らすことができ、地域において活躍できるよう、国、自治体、関係機関、企業等が連携して多文化共生に引き続き取り組むことを「SUZUKA宣言」として発信したところでございます。

 さて、新しい生活様式に対応した、オンライン化が急速に進展しましたが、一方では改めて人と人とのつながりを深め、リアルに体験していくことの大切さを感じた一年でもありました。

 このような中、本年12月1日に、本市は市制施行80周年の節目を迎えます。

 現在は、人と人との交流の場であった、祭りなどの行事やイベントが中止になるなど、地域の活動が大きく制限されています。

 この度の80周年では、新しい生活様式に対応した、新たな方法、新たな取組といった、工夫を凝らした地域の賑わいや特色を伝えるイベントの実施を支援するなど、今だからこそできることを、市民の皆様と一緒に取り組み、一年を通じて明るい話題を提供することで、鈴鹿市全体に活気を取り戻すような年にしてまいりたいと考えております。

 そして、この80周年という年を新たな一歩として、これからの新しい時代に「SDGs」、「デジタルトランスフォーメーション」、「カーボンニュートラル」などの新たな考え方と技術を取り入れながら、次の90周年、100周年と未来に向かって更なる飛躍につなげてまいります。

 それでは、鈴鹿市総合計画2023に掲げました、「将来都市像を支えるまちづくりの柱」と「自治体経営の柱」について、市政運営の基本方針及び予算編成に対する基本的な考え方を申し上げます。

2 市政運営の基本方針及び予算編成に対する基本的な考え方

「大切な命と暮らしを守るまち すずか」

 災害などから市民の皆様の命や暮らしを守る消防については、市南部地域の新たな消防分署と天名分団の施設整備を一体で進めることにより、地域における消防力を強化してまいります。

 あわせて、地域防災の中心的な役割を担っていただいている、消防団員の処遇を改善するとともに、消防の活動現場における迅速性、確実性を確保するため、通報時の状況を的確に把握できる映像通報システムを導入し、市民の皆様の不安を和らげ、安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。

 また、南海トラフ地震や、風水害、土砂災害に備えて、更なる防災・減災対策を推進してまいります。災害が発生した時には、まず、自分の身の安全を守ること、また、地域において避難支援などの共助活動が円滑にできるよう、引き続き、防災研修会等を通じて、市民の皆様の防災意識の醸成を図ってまいります。さらに、沿岸部における民間の津波避難ビルの新たな指定を行い、緊急避難場所の整備を図るほか、感染症に対応した避難所の開設、運営ができるよう取組を進めてまいります。

 次に、交通事故の減少に向けては、大津市で発生した園児死傷事故を受けて、市内における同様の交差点に防護柵などを施工し、歩行者の命を守るための安全対策工事を2021(令和3)年3月に完了させましたが、交通安全施設の維持管理及び整備を引き続き進めるとともに、交通安全教育や啓発活動により、市民の皆様の交通安全に対する意識を高めることで、交通事故のないまちをめざしてまいります。

 犯罪対策としては、これまで市内の鉄道駅周辺において、本市が管理する全ての自転車駐車場等へ防犯カメラの整備を行ってまいりましたところ、駅周辺での犯罪発生件数は、減少傾向にあることから、犯罪の抑止につながっていると考えております。今後は、防犯カメラの設置を希望する自治会等への補助制度を創設し、地域が行う防犯活動を支援することで、更に事件や犯罪のない、市民の皆様が安心して暮らすことのできる治安の良いまちをめざしてまいります。

「子どもの未来を創り 豊かな文化を育むまち すずか」

 人口減少社会を迎え、少子高齢化が急速に進展する中、一人一人の個性を尊重し、全ての子どもの成長に合わせた途切れのない施策に引き続き取り組むことにより、安心して子どもを産み育てることができる環境づくりに努めてまいります。

 2016(平成28)年度から実施している5歳児健診では、健診の結果を踏まえたスムーズな小学校への就学につながるように、児童への支援や保護者への相談の充実に取り組んでまいりました。この度、子どもの成長を一元的に把握できる「すずっこファイル」を全ての新生児に配付することで、保護者に寄り添った早期からの支援につなげてまいります。

 また、未就学児童の保育環境向上のため、合川保育所の長寿命化改修を完了するとともに、子育て支援センターりんりんを、天名公民館、天名地区市民センターと複合化して整備を進めてまいります。

 さらに、保育の現場における保育士不足は喫緊の課題でございます。私立の保育士と幼稚園教諭の処遇充実と定着化のための補助事業や、保育士等を志す方を対象に、公立・私立共催での「お仕事相談会」を引き続き実施することで、保育士不足の解消にも取り組んでまいります。

 就学児童の放課後の安全安心な生活の場である放課後児童クラブについては、これまでに、全ての小学校区に設置してまいりましたが、利用者のニーズが高く待機児童の発生が予想される小学校区においては、新たな放課後児童クラブの設置を支援し、待機児童の発生がないように努めてまいります。

 学校施設については、地域の防災拠点としても重要な役割を担っており、子どもたちが安全で、安心して楽しく学べる学校環境になるよう、引き続き、大木中学校の増改築を進めてまいります。

 さらに、昨年実施しました、耐力度調査の結果から、白子中学校の長寿命化改修に着手するとともに、千代崎中学校においては、改修を行うことが難しい状態であることが判明しましたので、改築に向けた準備を進めてまいります。

 その他の学校においても、引き続き、長寿命化改修の実施の可否を判断するための耐力度調査を行い、計画的に長寿命化改修を進めてまいります。

 教育ICTについては、GIGAスクール構想により整備した児童・生徒一人一台パソコンを活用した授業を更に推進し、学びのDXを図ることで、児童・生徒の学力向上はもとより、ICT機器を日常的に活用し、主体的で対話的に深く学ぶことができる次世代の人材育成につなげてまいります。

 また、中学校の部活動については、外部人材を活用することで、活動内容の充実を図ってまいります。

 学校給食については、給食費の公会計化を実施することで、学校給食のより安定的な提供を実現してまいります。

 これらICT教育の推進、部活動の振興、給食費の公会計化など新たな取組の推進によりまして、教育活動の一層の充実と働き方改革に努め、学校教育の質の向上につなげてまいります。

 次に、市民の皆様の文化活動の拠点である文化会館については、民間事業者が設計、建設、維持管理を一括して行うDBM方式を採用して長寿命化改修に着工いたします。

 また、感染拡大で実施できなかった事業の開催や、地域の特色を生かした文化事業の取組などにより、文化を育み、心豊かに過ごせるまちをめざしてまいります。

 スポーツについては、AGF鈴鹿陸上競技場の第3種公認更新のための改修工事と、石垣池公園市民プールの解体及び跡地の整備に着手し、トイレや駐車場などを増設することにより快適な利用環境を整えることで、スポーツ人口の増加や競技力向上につなげてまいります。

 また、オリンピックをはじめとするスポーツイベントで盛り上がった機運をしっかりと定着させるため、スポーツを楽しむ機会の創出とスポーツの振興につなげてまいります。

「みんなが輝き 健康で笑顔があふれるまち すずか」

 高齢化の進展による超高齢社会の到来や、核家族化による単独世帯の増加など、家族形態の構造的な変化により、市民の皆様の福祉へのニーズも多様化してきております。高齢者や障がい者の皆様をはじめ、誰もが住み慣れた地域で心身ともに健康で自立して暮らしていけるように福祉施策を進めてまいります。

 まず、地域医療体制の維持に向けては、医療系大学が所在するという本市の強みを生かして、看護師を志す学生を対象にした奨学金制度を創設いたします。この取組を大学や医療機関と連携を図りながら進めることで、市内の看護師不足の解消と定着化につなげてまいります。

 多胎児妊婦の健診に対する経済的な負担を軽減するため、検査費用の助成制度や、特別な理由により再度定期予防接種が必要となる方への予防接種費用の助成を開始するなど、必要な医療が安心して受けられる環境の充実に取り組んでまいります。

 高齢者福祉では、「第9次鈴鹿市高齢者福祉計画」を着実に推進するとともに、地域包括ケアシステムの深化、推進に向けて取り組んでまいります。

 さらに、コロナ禍でのフレイル予防として、身体機能や認知機能の維持、向上のための予防プログラムを、サロンや自宅で取り組むことができるよう支援してまいります。

 あわせて、認知症高齢者の見守りや成年後見制度の啓発、相談など権利擁護の推進体制の強化を図ってまいります。

 障がい者福祉では、夢や生きがいを持って暮らしていけるように、「すずかハートフルプラン」の全面改定に向けた取組を推進してまいります。

 特に、医療的ケア児の支援体制を強化するため、地域生活支援事業の日中一時支援事業において、新たな費用加算制度を創設いたします。

 そして、これらの取組とともに、多様化する福祉へのニーズや、制度の狭間問題、地域での複合的な課題に対し、鈴鹿市社会福祉協議会と一体となって、福祉分野の垣根を超えた包括的な相談支援を行う重層的支援体制の構築に取り組み、地域共生社会の実現をめざしてまいります。

「自然と共生し 快適な生活環境をつくるまち すずか」

 持続可能な循環型社会の形成と温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにする、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組を推進するため、市全体の温室効果ガス排出量の削減計画、再生可能エネルギーの導入目標の設定及び気候変動適応計画の要素などを盛り込んだ、「鈴鹿市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」を策定いたします。

 また、市の事業から排出されるエネルギー起源の二酸化炭素の排出量を削減するため、新たに地域新電力会社を設立いたします。

 クリーンセンターの老朽化に伴う改築については、2021(令和3)年度に実施しましたPFI導入可能性調査の結果、民間事業者が設計、建設、運営等を一括して行うDBO方式を採用し、公民連携による民間のノウハウを活用した整備及び運営に着手してまいります。

 長引くコロナ禍においても、本市の持続的な発展を支える都市基盤を強化し、経済を活性化させ、防災機能を向上させるための幹線道路整備は必要不可欠です。

 国道23号中勢バイパス(鈴鹿(安塚)工区)は、2023(令和5)年度の開通見通しであることから、目に見える形で工事が進捗しており、全線が開通することで、本市を含む中勢・北勢地域における国道23号の交通渋滞が緩和され、地域産業の支援となることが一層期待されます。

 また、国道23号鈴鹿四日市道路及び国道1号北勢バイパスの整備促進によって、国道23号及び国道1号のダブルネットワーク化と、地域高規格道路である鈴鹿亀山道路の早期事業化により、市内から東名阪自動車道、新名神高速道路と接続することで、高速道路とのネットワーク化を実現し、利便性の向上や大規模災害の発生時におけるリダンダンシーの確保とともに、ミッシングリンクを解消することで、物流の効率化、生産性向上につなげ、北勢地域の発展に向けて取り組んでまいります。

 さらに、市の道路事業では、交通渋滞を解消しスムーズな車での移動を実現するため、汲川原橋徳田線の4車線化に継続して取り組むとともに、鈴鹿四日市道路の整備着手に向けて、平野三日市線、三日市地子町線及び玉垣若松線の整備等を新たに進めてまいります。

 また、道路の維持管理については、舗装や水路等の修繕、橋りょうの耐震化及び長寿命化のための整備も計画的に進め、限られた財源を効果的に活用し、安全性の確保に努めてまいります。

 公共交通については、高齢者等の移動に制約がある市民の皆様の移動手段の確保や移動ニーズに対応した使いやすい地域公共交通の実現等への対応が求められています。

 これらを踏まえて、持続可能で利便性の高い地域公共交通ネットワークを構築していくために「鈴鹿市地域公共交通計画」を策定し、この計画に基づき関係者と連携して施策に取り組んでまいります。

 現在、一ノ宮地区で実施している、新たな交通システムの実証実験の結果も踏まえて、移動手段の導入に向けた手順や支援内容を明確にした「手引書」を作成し、地域の実情に応じた移動手段を確保してまいります。

 次に、土地利用については、持続可能な都市構造の構築に向けて、三重県内で初めて策定した「鈴鹿市優良田園住宅の建設の促進に関する基本方針」の利活用を図るとともに、都市計画の基本方針として、将来都市構造や都市づくりにおける基本理念を示した、「鈴鹿市都市マスタープラン」の改定について、市民の皆様の意見もお聞きしながら作業を進めてまいります。

 また、空き家対策については、特定空き家等の除却費用に対する補助制度の創設や、次期鈴鹿市空き家等対策計画を策定するための調査を実施してまいります。

 上下水道事業については、安定的で持続可能な経営環境を構築するため、「鈴鹿市上下水道事業経営戦略」の中間見直しを実施いたします。その上で、水道事業では、引き続き、管路や施設の耐震化を進めるとともに、濁り水の発生を解消するために、平野送水場の浄水設備の増設に着手するなど、安全で安心な水道水の安定供給に努めてまいります。

 下水道事業では、公共下水道全体の整備計画区域の抜本的な見直しについて検討してまいります。

 これらの事業を進めることにより、快適に暮らせるまちをめざしてまいります。

「活力ある産業が育ち にぎわいと交流が生まれるまち すずか」

 本市では2019(平成31)年に新名神高速道路鈴鹿パーキングエリア・スマートインターチェンジが開通したことにより、高速道路へアクセスしやすい交通利便性を生かして、現在、民間主導の土地区画整理組合事業によって工業団地の造成が進んでおります。2022(令和4)年度は、新たな優良企業の誘致に向けて、本市の優位性を広くアピールするとともに、企業の進出意欲や動向を把握するためのアンケートを実施してまいります。

 ものづくり企業に対しては、ものづくり産業支援センターにより、中小企業の困りごとに対する支援、研究開発や事業展開の支援に取り組むとともに、人材育成等の研修を行うことで、後継者の育成につなげてまいります。

 そして、産業振興に欠かすことのできない雇用については、三重県内の高等学校と企業との意見交換会の開催や、求職者と企業のマッチングを支援することで、若者や外国人、シニア世代も含めた求職者が、地域の中で生き生きと働ける環境の創出をめざします。

 農業振興については、「すずか産」農林水産物の認知度の向上と消費拡大を図るため、新たに作製した鈴鹿市地産地消推進ロゴマークを活用して情報発信に取り組み、消費者と生産者が相互に理解を深めることにより、地産地消を更に推進してまいります。

 コロナの影響により、実施できていない市民祭については、市制施行80周年記念として、市民の皆様が参加しやすい内容となるよう、新しい手法の取組について補助することで、市全体で盛り上げてまいります。

 地域資源の活用については、新しい生活様式での需要の高まりから、ECサイトでの販売力の強化や新たな商品、サービス、体験など地域活性化に関わる取組を発展させ、本市への関係人口を拡大させるとともに、「ふるさと納税」の寄附の増加にもつなげてまいります。

 また、モータースポーツの聖地とも称される本市では、近年、コロナの影響により国際的レースの中止が相次いでおりますが、コロナ禍でも醍醐味や臨場感を楽しむことができるeモータースポーツに取り組んでまいりました。今年こそは、F1日本グランプリや鈴鹿8時間耐久ロードレースが開催されることを心待ちにし、eモータースポーツと合わせた魅力発信をしてまいります。

 コロナを乗り越えた先をしっかり見据え、鈴鹿商工会議所、鈴鹿市観光協会をはじめとした関係団体の皆様と手を携え、知恵を出し合い地元の魅力や情報が発信され、人が訪れ、交流が進むまちづくりと、地域経済の活力の創出をめざして取り組んでまいります。

「市民力、行政力の向上のために」

 ここまで述べてまいりました、5つのまちづくりの柱を推進していくためには、その基礎となる市民力、行政力の更なる向上が欠かせません。

 そのため、男女共同参画、多文化共生、地域づくりなど市民力の向上に引き続き取り組むとともに、質の高い行政経営を実現するための行政力の向上にも取り組んでまいります。

 まず、男女共同参画については、拠点である鈴鹿市男女共同参画センターが、開設20周年を迎えます。ジェンダー平等を推進するため、本市の拠点施設として、市民団体の皆様の活動と交流を、より一層、支援してまいります。

 また、誰もが個性と能力を発揮し、夢を持って暮らすことができる社会の実現と、社会における女性の多様な活躍機会の創出を実現するために、オンラインを活用して女性活躍推進の支援をしてまいります。

 人権政策については、コロナ禍(か)において顕在化した、SNSやインターネット上の人権侵害に対応するため、モニタリング事業の充実を図り、誹謗中傷や人権侵害の早期発見と管理者への削除要請につなげ、不確実な情報の拡散を防ぐ取組を推進してまいります。

 多文化共生の推進については、異なる文化的背景を持った方が、互いの違いを認め合い、地域社会の構成員としてともに生活する社会の実現をめざして、多文化共生推進指針の見直しに着手してまいります。

 市民の皆様が主役のまちづくりを推進するために、市内28の地域全てで設立された地域づくり協議会への一括交付金を引き続き交付することで、地域の実情や特性を良く知る皆様が、それぞれの個性を生かして、地域の課題解決と理想の姿の実現に向けて取り組む活動を支援してまいります。

 市民の皆様への情報発信については、無料通信アプリのLINEを活用した新たな手段を構築することで、市政情報や災害情報などを、速やかに届けられるよう情報発信ツールを充実してまいります。

 業務の効率化については、AIや業務を自動で処理するロボット、いわゆるRPAの活用による単純作業の自動化に引き続き取り組むとともに、新たな事業実施の手法として、民間提案制度の活用も積極的に行ってまいります。

 公共施設マネジメントについては、「鈴鹿市公共施設等総合管理計画」を着実に推進するため、耐力度調査も実施し、公共建築物の長寿命化に継続して取り組んでまいります。

 財政状況は引き続き厳しい中ではございますが、2022(令和4)年度当初予算の市税収入は、コロナ前の水準近くまで回復する見込みでございます。鈴鹿市総合計画2023後期基本計画に掲げる取組を推進するために、財政規律を堅持し、計画的かつ健全な財政運営に努めてまいります。

 行政力の向上については、新たな行政課題に的確に対応できるよう、市職員の行政経営に対する意識を高めるとともに、コミュニケーション能力、企画力、情報収集能力などの政策形成能力の向上に取り組んでまいります。

 また、行政評価、予算編成、人事評価などの各行政システム間の連動を図ることで、行政として責任を持って鈴鹿市総合計画2023の目標が達成できる仕組みであるトータルマネジメントシステムを引き続き推進し、経営資源を効率的、効果的に配分し、成果重視の行政経営をめざしてまいります。

3 むすび

 少子化の進展に伴う人口減少やICTの普及により社会の状況が急速に変化する時代ではありますが、冒頭にも述べましたように、本年は市制施行80周年を迎えます。これまでの歴史の中で先人が培ってきたモノを継承し、新たな技術や様式を取り入れ、元気に盛り上げていく一年にしたいと考えております。

 一方で、感染の拡大と縮小を繰り返す、新型コロナウイルス感染症は、依然として終わりが見えていませんが、様々な工夫と挑戦を続け、市民の皆様お一人お一人の協力を得ながら、市職員の力も結集してコロナ禍を乗り越える年にしてまいりたいと思います。

 最後に、未来に向かって無限に輝ける鈴鹿市をめざし、鈴鹿市総合計画2023のあらゆる施策を着実に推進し、市民の皆様に安心して生活していただけるように、市政運営に対する決断力とリーダーシップを発揮し、力強い行政経営を進めてまいりますので、引き続き、市議会の皆様並びに市民の皆様の御理解と御支援を賜りますようお願い申し上げ、私の施政方針といたします。

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