令和3年2月市議会定例議会

ページ番号1010048  更新日 2024年3月15日

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 令和3年2月市議会定例議会の開会に当たり、市政運営の基本方針及び予算編成に対する基本的な考え方について申し述べます。

1 はじめに

 国の緊急事態宣言が3月7日まで延長されましたことを受け、三重県においても、三重県新型コロナウイルス「緊急警戒宣言」が延長となりました。

 本市では、昨年より介護施設や病院をはじめ、複数のクラスターが発生し、連日のように、感染者が確認されるなど、依然として、予断を許さない状況にあります。

 そのような中、医療、福祉、介護の現場で、新型コロナウイルス感染症に対して向き合いながら、感染拡大防止に努めていただいている皆様に敬意を表するとともに、深く感謝を申し上げます。また、市民の皆様、事業所の皆様には、長引くコロナ禍において、「新しい生活様式」を取り入れながら、感染症対策の徹底にご協力いただいておりますことに心より御礼申し上げます。

 鈴鹿市議会におかれては、昨年5月に新型コロナウイルス感染症対策に関して、総合的な取組や対策などについて調査研究することを目的とした特別委員会を設置され、8月14日には徹底した検査体制などを求める意見書を、また、9月25日には医療体制の強化・充実や、教育・子ども関係施設における感染症対策、市民の目線に寄り添った安心につながる情報発信、事業者などへの経済活動支援などの4分野8項目について、政策決定の参考となる提言をいただきました。

 本市ではこれまでにも、小中学校の臨時休校措置のほか、特別定額給付金事業や新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金事業などにより、市民の皆様、事業者の皆様への感染症対策や生活支援対策、経済対策として、約190事業、総額240億円の対策を講じてまいりましたが、今後も、市議会の皆様ときめ細かに意見交換をしながら、市民の皆様に寄り添った新型コロナウイルス感染症対策を進めてまいります。

 とりわけ、新型コロナウイルスワクチン接種については、2月8日付で、新たに庁内の推進体制を整備し、遅滞なく、確実に接種できるよう、準備を進めているところです。

 新型コロナウイルス感染症により停滞している経済活動を少しずつ再開することにより、このような厳しい社会情勢下においても、持続可能な鈴鹿市を実現させるための17の目標と169のターゲットからなるSDGsの理念を意識しながら、創意工夫のもと、まちづくりを進めていく所存でございます。

 さて、平成28年度からスタートした鈴鹿市総合計画2023も、早5年が過ぎようとしています。令和2年度から後期基本計画がスタートしておりますが、これまでを振り返りますと、市民の皆様との約束の実現に邁進してまいりました。

 特に、私が一番力をいれてまいりました子育て支援でございますが、令和2年度に西条保育所を移転新築し、拠点施設として、保育所併設としては初めての実施となります病後児保育を開始するとともに、保護者の需要が高い一時預かり保育も併せて実施をしております。

 また、保育所のICT化を推進することにより、保育士の負担軽減を図るとともに、事故防止に向けた取組を拡大することで、安全・安心な子育てができる環境づくりを進めてまいりました。

 さらに、小1プロブレムへの有効な対策として、子どもたちの自立と社会参加をめざすことを目的に、全児童対象に5歳児健診を実施することで、早期から途切れのない支援につなげることができました。

 教育では、教育ICT環境整備に取り組み、教育の中でICTを活用し、子どもたちの学力向上や新しい学びにつながる取組を進めているところです。

 さらに、文部科学省の「GIGAスクール構想」の整備を前倒しすることで、令和2年度中に校内高速通信ネットワークを整備するとともに、児童生徒1人1台の学習用端末の整備が完了するところです。

 次に、高齢者の皆様がいつまでも、いきいきと健康に暮らせるための施策については、住民自らフレイル予防に取り組むための支援や、認知症初期集中支援チームを設置するなど認知症施策の推進を図ってまいりました。

 公共交通については、新しい生活様式の下、リモートワークによる在宅勤務など、働き方の見直しが進み、公共交通に対する考え方が変わろうとしております。

 また、自ら移動手段を持たない、特に高齢者の移動の確保が課題となってきており、こうした課題に対応するため、本年1月から一ノ宮地区において乗合ワゴン事業の実証運行を開始しました。

 このような社会情勢の変化や課題解決に向けた取組に加え、皆様のご意見をもとに新たな地域公共交通計画を策定するなど、本市にふさわしい公共交通ネットワークの構築に引き続き、取り組んでまいります。

 次に、市民との協働によるまちづくりについては、本年度中には市内の全地域に地域づくり協議会の設立が完了します。令和3年度は、地域づくり一括交付金を拡充いたしますので、その活用により各地区での取組が活性化することを期待しております。

 このほかにも、企業誘致に向けた積極的な取組や防犯体制強化のための市内主要駅への防犯カメラの設置、堀切川流域における浸水被害戸数の大幅な減少をはじめとして、多くの取組を進めることができました。

 市内幹線道路については、昨年、鈴鹿四日市道路が新規事業化され、本年2月16日に、鈴鹿亀山道路の都市計画決定が、されましたことから、着実に事業が進むよう取り組んでまいります。

 それでは、鈴鹿市総合計画2023後期基本計画に掲げました5つの「将来都市像を支えるまちづくりの柱」と「自治体経営の柱」に沿って、市政運営の基本方針及び予算編成に対する基本的な考え方を申し上げます。

2 市政運営の基本方針及び予算編成に対する基本的な考え方

「大切な命と暮らしを守るまち すずか」

 今後、30年以内に70%から80%の確率で起こると言われている南海トラフ地震などの大規模災害や、各地で頻発している風水害や土砂災害に備えて、防災・減災への積極的な取組を進めることは喫緊の課題となっております。

 このような中、市民の皆様、とりわけ避難に時間を要する高齢者や障がい者、逃げ遅れた方々の緊急的な避難場所として、津波浸水予測区域内の津波避難ビルの指定拡大を図り、市内沿岸部の安全・安心を確保してまいります。

 また、新型コロナウイルス等の感染症対策を踏まえた避難所の開設・運営訓練を実施するとともに、避難所の環境の向上を図ってまいります。

 万が一の時に、市民の皆様の生命と財産を守る消防、救急体制の強化については、新消防分署と天名分団の施設整備を進めるとともに、高機能消防指令センターを、津市、亀山市と本市の3市での共同運用に向け、基礎調査業務委託を行い、相互応援体制の強化等を図ってまいります。

 一方、本市では、人口1千人当たり刑法犯認知件数が令和元年度6.94件と三重県内でも比較的に高く、高齢者を狙った振り込め詐欺をはじめ、子ども・女性が被害者となる犯罪が発生していることから、本定例議会に提案いたしております、鈴鹿市犯罪被害者等支援条例に基づいて、犯罪被害者等への支援を実施し、犯罪に巻き込まれた方々が平穏で安全な生活を取り戻せるよう、取り組んでまいります。

 また、犯罪を未然に防ぐために、市内主要駅における防犯カメラの設置を完了させることにより、防犯体制の強化を図り、事件や犯罪のない、市民の皆様が安心して暮らすことのできる治安の良い地域をめざしてまいります。

「子どもの未来を創り 豊かな文化を育むまち すずか」

 次代の社会を担うのは子どもたちです。一人ひとりの子どもの育ちは、社会全体で応援する仕組みの構築が必要です。

 そのような中、近年では、晩婚化や晩産化、少子化の進展、児童虐待、地域のつながりの希薄化などにより、子育ての悩みや不安を抱える保護者が増加し、ライフスタイルの変化やコロナ禍による社会経済状況の影響を受けて、出産・子育てに関するニーズが多様化しております。

 こうしたことから、子育てについては、きめ細やかな相談・支援体制や子育てに関する情報提供の充実を図り、家庭、地域、学校などと連携し、ライフステージに応じた包括的な支援体制の構築を図ってまいります。

 保育につきましては、病気の回復時期にありながら、家庭での育児が困難な場合に預かる病後児保育や、一時預かり保育を実施するなど、子どもたちそれぞれの状況に応じたサポートをしてまいります。

 私立保育所においては、園舎の老朽化に伴う建て替えに対して補助するとともに、外国籍の子どもを多数受け入れている施設において、必要な通訳を雇用するための補助をすることで、受け入れ体制を整備しつつ、保育士の業務負担の軽減を図ってまいります。

 また、私立幼稚園も含めた保育士、幼稚園教諭に対する処遇充実や定着化に向けた取組を進めてまいります。

 学校教育の環境整備として、令和5年3月の竣工に向けて、大木中学校の校舎増改築を着工します。

 屋上は、津波想定時の避難所としての機能も兼ねており、生徒や地域の方にも大きな安全・安心を得ることができる学校施設として生まれ変わります。

 教育ICTについては、新しい時代の学びを進める手段の一つとして、全国の自治体が取組を進める中、本市では、これまでの計画を前倒しし、学校のICT環境整備推進の指針となる、「全国の学校におけるICT環境の整備のステップ」において、ステージ4までの整備を完了いたしました。今後は、ICT機器を活用しながら、より効果的な学習方法を模索し、Society5.0時代を生きる子どもたちのため、学習指導要領が掲げる「主体的・対話的で深い学び」の実現に力を注ぎ、たくましく、しなやかに生きる力を育んでまいります。

 文化振興については、市民の皆様の文化活動の拠点である文化会館を、公民連携の手法を活用しながら施設整備を進めてまいります。

 また、文化財の計画的な保存・活用を図るとともに、考古博物館では、CO2削減対策など再生エネルギー設備導入計画を策定し、脱炭素社会へ貢献しながら市民の皆様に愛される施設として運営してまいります。

 老朽化が進む石垣池公園市民プールについては、安全面が懸念されることから、令和3年度に解体し、跡地利用に向けた基本設計業務委託を実施してまいります。

 本年9月から10月にかけて開催される三重とこわか国体・とこわか大会では、本市で、10競技11種目と多くの競技が開催されます。新型コロナウイルス感染症対策を徹底することで、選手の皆様が安全で安心して競技が行える体制づくりを目指すとともに、観戦・応援していただく皆様や運営スタッフが安心して参加できる大会にするため、インターネットによる競技のライブ配信など、新しい生活様式に対応した運営により、市民の皆様と一丸となり、大会を成功させてまいります。

 また、現在、日本フットボールリーグに所属する鈴鹿ポイントゲッターズのホームタウンである本市としましては、サッカースタジアム建設をJリーグクラブの誕生に向けた、絶好の機会と捉え、スポーツ振興だけでなく、地域経済の活性化につながるものとして、積極的な情報発信を始めとした支援を行ってまいります。

「みんなが輝き 健康で笑顔があふれるまち すずか」

 市民の皆様一人ひとりが、夢や生きがいを持って、安心して暮らしていくためには、高齢者や障がい者の方々への福祉対策や医療の充実が必要となることから、それぞれの施策を積極的に進めてまいります。

 まず、高齢者福祉については、高齢化の進展により、一人暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯、認知症高齢者が増加することで、要介護認定者数の増加による介護保険サービスの利用が増大しております。

 一方で、高齢者が高齢者を介護する「老老介護」や育児と介護を同時に担う「ダブルケア」、介護の負担による家族の「介護離職」や「生活困窮」などの複雑化・複合化した問題が生じております。

 本年4月から第9次鈴鹿市高齢者福祉計画がスタートとなりますことから、在宅医療・介護連携や介護予防・生活支援、認知症施策の推進を柱とした地域包括ケアシステムの構築および高齢者福祉の推進を大きな目標として、地域共生社会の実現に向けた取組と連携しながら、高齢者がいきいきと元気に暮らしていける「まち」をめざしてまいります。

 障がい者福祉については、より一層の地域共生社会の実現に向けて、障がい者の方の生活などを支援する施策や方針をまとめた「すずかハートフルプラン」の一部である障害福祉計画及び障害児福祉計画を改定し、福祉施設入所者の地域生活への移行や福祉施設から一般就労への移行の推進を図る取組を進めてまいります。

 また、相談支援体制の充実・強化を図り、社会福祉法や介護保険法等に基づく支援事業と連携し、障がい者の方や関係する家族の抱える地域課題の解決や日常生活支援に一層取り組んでまいります。

 さらに、障がい児への支援については、早期からの児童発達支援へとつなぎ、特別支援学級での教育、就労支援と地域移行支援といった成長過程に応じた途切れのない支援を充実させてまいります。

 市民の皆様が、必要なときに安心して医療が受けられる地域医療については、医療政策の強化に向けた人材育成を三重県と連携しながら進めるとともに、新型コロナウイルス感染症対策についても、鈴鹿市医師会や三重県と情報共有を図りながら、進めてまいります。

 あわせて、先天性の聴覚障害を早期に発見することで、適切な支援につなげるための検査については、新たに、新生児聴覚スクリーニング検査の補助制度を創設いたします。

 新生児から高齢者まできめ細かい対応が求められる救急医療体制については、小児救急医療体制の維持・充実を図るとともに、高齢化の進展によって、在宅医療を必要とする市民の増加が想定されますことから、一次・二次救急医療機関との連携を進めながら、安定的に運用してまいります。

 多様化する制度の「はざま」の課題や複合化した課題については、鈴鹿市社会福祉協議会と一体的に取り組むことで、市民の皆様が、心身ともに健康で自立して暮らしていける「まち」をめざしてまいります。

「自然と共生し 快適な生活環境をつくるまち すずか」

 私たちの暮らしや産業の様々な場面で発生する温室効果ガスを、排出自体を抑制するだけでなく、排出された二酸化炭素を回収するなどして、差し引きで、実質的にゼロを達成しようという考え方の「2050年 カーボン ニュートラル」が国によって提唱されました。

 2050年までに達成するためには、積極的に地球温暖化対策を行うことで、産業構造の変革をもたらし、大きな成長につなげるという発想の転換が必要となります。

 その実現に向けては、市民、企業、国、自治体等の社会の構成員が、総力を挙げて取り組む必要がありますことから、本市においても、これまでの取組に加えて、クールチョイス運動に係る普及・啓発を積極的に進め、地球温暖化を防ぐために、脱炭素社会を実現してまいります。

 施設の老朽化に伴う新クリーンセンター建設については、事業手法検討に係る基礎調査とともにPFI導入可能性調査業務委託を実施し、民間活力導入手法を検討してまいります。

 SDGsの12番目の目標「つくる責任・つかう責任」に該当する家庭系ごみの削減は、大きな課題ですが、その中でも、食品ロス削減推進事業は、市民の皆様の誰もが取り組むことができる本市独自の取組です。

 事業開始から、3年目となる令和3年度では、より一層、食品ロス削減に向けての「理解」と削減に向けた「行動」に取り組む市民を増やすため、「食品ロス ゼロチャレンジ」モニターの拡大に努め、資源を有効に活用する「まち」をめざしてまいります。

 その一方で、地方創生のまちづくりには、経済を活性化させるための幹線道路整備が不可欠であることから、国道23号中勢バイパスの早期供用開始に向けて、引き続き、関係機関に強く働きかけてまいります。

 また、昨年、国道23号鈴鹿四日市道路が事業化されました。これによって、松阪市から四日市市までのバイパスがつながり、南北主要幹線道路がダブルネットワーク化され、大規模災害発生時の代替機能が確保されます。

 また、渋滞緩和による事故防止や、スムーズな地域間移動が向上し、物流の安定化に寄与することから、事業が着実に進むよう取り組んでまいります。

 あわせて、鈴鹿市内から東名阪自動車道・新名神高速道路亀山ジャンクションを結ぶ、地域高規格道路である鈴鹿亀山道路は、本年2月に都市計画決定が、されましたことから、早期事業化に向けて国や県と連携して取り組んでまいります。

 さらに、主要地方道鈴鹿環状線の慢性的な交通渋滞の緩和や、災害時における輸送機能の確保を目的に、鈴鹿四日市道路と汲川原橋徳田線を結ぶ都市計画道路平野三日市線の、算所町から三日市町間の道路拡幅事業を進めてまいります。

 このような幹線道路網整備を進めることで、本市が持つポテンシャルをさらに高めることにつなげ、市民の皆様が地域内外へ移動しやすい交通環境を目指してまいります。

 また、神戸地区と河曲地区の一定区域における歩行者等の安全な通行を確保するために、生活道路の路肩整備や主要地方道四日市鈴鹿環状線の歩道設置を含む踏切拡幅工事等を、地元協議のもと三重県など関係機関と連携し進めてまいります。

 鈴鹿市都市マスタープランについては、人口減少や超高齢社会に対応した持続可能な都市構造を構築するため、改定に着手してまいります。

 さらに、本市の恵まれた自然環境を活かし、豊かな大地で“身近に農のある暮らし”を様々なニーズに合わせて提供する仕組みである「優良田園住宅制度」を三重県内で初めて導入し、条例化することで、市街化調整区域において適正かつ柔軟な土地利用を促進し、地域コミュニティの維持につなげ、快適に暮らせる「まち」を目指してまいります。

「活力ある産業が育ち にぎわいと交流が生まれるまち すずか」

 本市の産業振興をみると、幹線道路網をはじめとしたインフラ整備が進んだことで、企業の投資拠点となる可能性が広がっております。企業立地促進による多様な産業構造の構築、立地企業や既存企業への支援により、地域の特性を活かした産業集積の促進を図り、地域経済の自立的発展を支えるとともに、地域間競争に対応してまいります。

 本市産業の特色のひとつであるものづくり産業では、コロナ禍にあっても、元気で、活気にあふれるまちづくりを進めるためにも、大学や研究機関との連携により、新技術開発を行った事業者への支援を引き続き、行ってまいります。

 また、ものづくり産業支援センターによる定期的な巡回訪問による、人材育成、技術・経営相談などを行うことで、中小企業が持続的に発展していくための経営資源を確保できるよう取り組んでまいります。

 鈴鹿川左岸に広がる丘陵地や右岸の肥沃な農地を利用した本市の農業、畜産業、水産業は県内有数であることから、これらを守り、持続的に発展させていくための施策を講じてまいります。

 まず、農業では、大規模災害や気候変動により厳しさを増し、さらに、新型コロナウイルス感染症の影響で、本市の特産物である茶・花木農家を中心に農業収入が減少しておりますことから、「すずか花まるキャンペーン」の実施により生産者を支援してまいります。

 安定した農業経営を支援するためにも、新たに、農業保険制度利用促進事業として、収入保険料補助を実施することで、農業者の安定経営を図るとともに、地域農業の維持・発展につなげてまいります。

 畜産業では、家畜伝染病対策について、滋賀県や岐阜県など隣接県では高病原性鳥インフルエンザが発生し、県内においても豚熱の感染が確認されたことから、本市では、鶏舎周囲への消石灰等散布のための補助や、野生イノシシの捕獲を引き続き行い、新たに、豚熱ワクチン接種のための補助なども整備し、支援してまいります。

 水産業においても、漁獲量の減少により漁業者の生産活動に大きな影響が生じておりますことから、共済掛金補助をはじめとした事業で水産業の活性化に向けた支援をしてまいります。

 また、まちに賑わいをもたらす商業を活性化するため、商店街が実施する活性化促進事業への支援を引き続き実施するとともに、後継者育成や事業承継につなげるための創業者や人材育成を行う鈴鹿商工会議所を支援してまいります。

 さらに、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、売上が減少した飲食業や宿泊業を営む方々へ、これからも事業を継続していただくための給付金事業を実施し、市内経済を下支えすることで、生活に関わる商いが、元気で、にぎわいのある「まち」をめざします。

 造成工事に取り掛かる鈴鹿PAスマートIC周辺土地区画整理事業においては、令和4年度、工業団地の完成に向けて開発が進められており、本市といたしましても引き続き、支援をしてまいります。

 また、民間事業者が開発する工業団地等に立地する企業に対しても支援を行い、積極的に企業誘致を進めることで、製造品の出荷額の向上につなげて、元気で活気にあふれているものづくり産業のまちを目指してまいります。

 緊急雇用対策事業については、新型コロナウイルス感染症の影響により、雇用環境が厳しくなる中で、本市は、令和2年度に市内企業と求職者とのマッチング支援や求職者に対し、資格取得の支援を行うスキルアップ応援事業を実施したところです。

 令和3年度も、引き続き事業を継続し、求職者の皆様に対して、職業訓練を受講していただくことで資格の取得を支援し、早期の就労につなげ、安心して働ける環境づくりをめざします。

 本市固有の地域資源の活用については、モータースポーツや伊勢型紙・鈴鹿墨の伝統産業を含めた既存の地域資源とともに、観光誘客事業やバーチャル技術を活用した観光PRなど、今後を見据えた取組を進めてまいります。

 さらには、小学生の親子を対象とした地産地消バスツアーの開催によるインナーセールスなどにより、新たな魅力の創造や販路拡大にも取り組んでまいります。

 また、ふるさと納税制度については、制度の運用と地域資源の活用を一元化することにより、地域での魅力ある産品の掘り起こしや、迅速な発信に努め、寄附額の拡大や関係人口の増加、誘客につなげてまいります。

 「市民力、行政力の向上のために」ここまで述べてまいりました、将来都市像の実現に向けたまちづくりを推進していくためには、市民力と行政力の向上を図りながら、市全体の自治力を高めることが必要となります。

 冒頭でも申し上げましたように、新型コロナウイルス感染症への対応が長期化する中では、人権への配慮が必要となるとともに、本市の持つ課題を、行政と地域が協働して解決していくことが重要です。

 市民の皆様に対しましては、差別やいじめなど人権侵害につながるような行動をとることのないように、冷静で思いやりのある行動をしていただくことをお願いし、「じんけんフェスタinすずか」を始めとした事業を通じて、人権が保障された明るく住みよい地域づくりを推進してまいります。

 国では、第5次男女共同参画基本計画を策定し、昨年12月に閣議決定をされたところでございますが、私も、その策定専門調査会の委員として、社会のあらゆる分野における男女共同参画の必要性について訴えてまいりました。

 本市では、全ての女性が輝く社会をめざし、「SUZUKA女性活躍推進連携会議」の場を活用し、「ジェンダー平等」の推進や女性活躍推進に向けて、オンラインでの会議やセミナーの開催を増やすことで、人材育成の支援や就労の場における男女共同参画意識のさらなる普及向上と、地域や家庭などでの意識の底上げを実践してまいります。

 また、多文化共生の推進については、外国人市民が多く住む本市は、生活者としての外国人市民を守る役割があります。

昨今のコロナ禍においては、異なる言語間でのコミュニケーションが重要となります。そこで、外国人市民が多く住む自治体で構成する外国人集住都市会議の座長として、他の会員都市と連携し、国等に対して働きかけを行うことにより、本市の課題解決につながる取組を積極的に進めてまいります。

 協働のまちづくりについては、鈴鹿市まちづくり基本条例及び鈴鹿市地域づくり協議会条例に基づき、市内全域で設立される地域づくり協議会とともに継続して進めてまいります。

 地域の特性を活かした住みよい地域づくりを支援するため、地域づくり一括交付金を充実し、それぞれの地域の実情に沿った課題解決や活性化の取組がなされることで、住民主体の地域づくりを推進してまいります。

 また、行政サービスに関する満足度の向上を図るために、一部、手続を一元化した専門の窓口を、本庁舎1階に設置するなど、多様化する市民の皆様の声に迅速かつ的確に対応してまいります。

 さらに、学校や文化施設など公共建築物については、本市の発展にあわせた昭和40年代から昭和50年代頃に建設されたものが多く、今後、更新時期が集中することから、公共施設マネジメントを着実に推進するため、鈴鹿市公共施設等総合管理計画のもと、新たに実施できる組織を構築してまいります。

 そして、これらの施策を積極的に行うために、本市財政のさらなる健全化に取り組みます。

 本市の財政については、新型コロナウイルス感染症の影響により、市税収入の減収が見込まれ、厳しい状況が予想されます。

 そこで、市民の皆様のニーズに応える行政サービスを提供するために、引き続き、財政規律を堅持し、計画的かつ効率的な財政運営を行うとともに、財政状況や財務に関する情報を市民の皆様と共有してまいります。

 その手法である地方行政サービス改革については、行政需要が増加する状況下においても、質の高い公共サービスを効率的・効果的に提供することを目的としており、民間委託等の推進やICTを活用した業務の見直しなど、本市においても、今後必要とされる取組であると考えております。

 令和2年12月に三重県と連携して実施いたしました全庁業務量調査では、作業工程の見える化等業務の棚卸しを行い、また、他の自治体との業務比較をとおして現状と課題などが明らかになりました。

 今後、RPA等のデジタル技術の導入や人材育成、民間委託可能業務の選定など、さらなる業務の見直しや公民連携の取組の拡大につなげてまいります。

 また、行政評価、予算編成、人事評価などの各システム間の連動を図り、さらに、組織の連携により、責任を持って目標が達成できる仕組み、いわゆるトータルマネジメント システムを推進し、経営資源を効率的・効果的に配分し、成果重視の行政経営をめざしてまいります。

3 むすび

 長引くコロナ禍により、本市の現状は、社会的にも経済的にも非常に厳しい状況にあります。

 しかしながら、このような時だからこそ、これまで進めてきた取組をしっかりと踏まえながら、市民の皆様が、安全で安心して生活をしていただくための感染症拡大防止策や 生活支援策などを拡充し、また、懸命に事業継続に取り組んでいただいている事業者の皆様に対する経済対策などを進めることにより、「いつまでも住み続けたいまち すずか」「コロナに負けない 元気な鈴鹿市」と思っていただけるよう、その期待に応えていかなければならないと考えております。

 また、この難局を乗り越えていくためには、市民の皆様とさらなる信頼関係を築き、ともに考え、前向きにチャレンジする職員を育成し、職員力・行政力を向上させていかなければなりません。

 厳しい財政状況の中ではありますが、本市が未来に向かって持続的に発展できるよう、職員が一丸となり取組を進めてまいりますので、市議会の皆様並びに市民の皆様の御理解と御支援を賜りますよう申し上げ、私の施政方針といたします。

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