令和5年6月市議会定例議会

ページ番号1010050  更新日 2024年3月15日

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1 はじめに

 令和5年6月市議会定例議会の開会に当たり、市政運営に対する基本的な考え方について申し述べ、議員の皆様並びに市民の皆様の御理解を賜りたいと存じます。

 このたび、市民の皆様の負託を受け、4期目となります市政運営を担わせていただくこととなりました。

 令和の時代に入り、私たちはコロナ禍を経験いたしました。令和2年1月に発生した未知なる感染症は、世界規模の脅威となり、私たちの生活様式も大きく変化をいたしました。
 この間、本市におきましても、市民の皆様の安全・安心な暮らしを守り、また、市内経済の安定化を図るため、ワクチン接種などの感染拡大防止策をはじめ、幅広く、生活者支援や経済対策を実行してまいりました。
 さらに、長引くウクライナ情勢による物価高騰の影響を受けた市民の皆様や事業者に対しましても、スピード感を持って支援策を講じてまいりました。

 このような中、これからの時代を切り拓き、更なる市民サービスの向上を図るためには、今まで取り組んできた事業を推進するだけではなく、コロナ禍の経験を「未来への教訓」として捉え、新たに見えた課題にも果敢に挑戦していく必要があると痛感したところでございます。

 そして、本格的な少子高齢社会を迎える中におきましても、本市に賑わいと交流が生まれ、市民の皆様が笑顔で活躍できるまちへと発展し続けるためには、まずは、本市の未来を担う全ての子どもたちの健やかな育ちを確保するとともに、権利を保障する必要があると考えております。

 そのため、「子ども条例」の策定に取り組み、少子化やヤングケアラーの問題など、子どもに関する様々な課題の解決を図ってまいります。

 また、これからのSociety5.0といわれる超スマート社会においても、子どもたちが、主体的に学び、社会を生き抜いていく力を身に付けられるよう、鈴鹿市教育大綱を見直し、本市が目指す「子どもの姿」を明確に示すことで、誰一人取り残さない教育環境を実現してまいります。

 本年度は、鈴鹿市総合計画2023の最終年度であり、次期鈴鹿市総合計画の策定に向け、本市の将来像を描いていく非常に重要な年となります。

 そのため、8年間の集大成として、後期基本計画の着実な推進を図りつつ、これからの時代を見据え、持続可能なまちづくりを官民協働で進めていくための羅針盤として、次期鈴鹿市総合計画を策定してまいります。

 さらに、本市の将来都市構造や都市づくりにおける基本理念を示した「鈴鹿市都市マスタープラン」につきましても、次期鈴鹿市総合計画の策定に併せ、社会経済構造の変化を踏まえた効果的な見直しを行い、計画的な土地利用を促進してまいりたいと考えております。

 新たな時代を、市民の皆様と手を携え、ともに切り拓いていくため、一層気を引き締め、気持ちを新たに、市政運営に臨んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、4期目のスタートに当たり、鈴鹿市総合計画2023に掲げます、5つの「将来都市像を支えるまちづくりの柱」及び「自治体経営の柱」に沿って市政運営の基本方針を申し上げます。

2 市政運営の基本方針

「大切な命と暮らしを守るまち すずか」

 私が市長に就任いたしましたのは、平成23年5月でございましたが、その年の3月11日に、未曽有の被害をもたらした東日本大震災が起こりました。

 本市は、南海トラフ地震の想定震源域内にあり、大規模自然災害に対する備えが急務となっておりましたことから、就任以来、津波避難ビルの指定をはじめとする、民間企業・団体などとの防災協定の締結や、防災拠点でもある桜の森公園の整備など、防災・減災の施策を重点的に取り組み、着実に災害に強いまちづくりを進めてまいりました。

 一方、近年、地球温暖化が原因と考えられる気候変動の影響により、全国的に、台風や集中豪雨などの自然災害による被害が頻発・激甚化しておりますことから、本市におきましても、いつ発生するかもしれない大規模自然災害に対し、市民の皆様の生命と財産を守るため、常に危機意識を持って、備えておくことが重要であると考えております。

 そのため、浸水被害の軽減に向けた取組として、「鈴鹿市総合雨水対策基本計画」に基づき、引き続き、河川や排水機場などの治水・浸水対策施設の整備を着実に進めていくとともに、本年度は、インターネット版のハザードマップを新たに作製するなど、市民の皆様の防災意識の向上につながる取組を進めてまいります。

 また、三重県をはじめとする行政機関や、地域や民間企業の皆様との連携を深めながら、海岸堤防の強化や津波避難ビル指定の拡大、地区防災計画・避難所運営マニュアルの策定支援、自主防災組織への支援など、ハード・ソフト両面における防災・減災施策を進め、地域との協働によって、市民の皆様の安全と安心につなげてまいります。

 そして、自然災害以外にも、市民の皆様の生命や財産を守るためには、消防・救急体制の強化が欠かせません。

 本年5月には、新たな消防活動拠点として、南消防署天名分署の供用を開始したところです。天名分署は、中勢バイパスや、現在、整備が進められている磯山バイパスなどの道路を有効に活用できる場所に位置しております。
 このことから、現場到着時間の大幅な短縮が図られ、早期の消火活動や救急隊による応急処置が可能になり、被害の軽減や救命率の向上につながるものと考えております。

 引き続き、地域防災の中核となる消防団との連携を強化するとともに、消防活動の根幹となる消防指令システムの更新を行うなど、消防・救急体制の強化を図りながら、市民の皆様の生命と財産を守り抜けるまちづくりを進めてまいります。

 次に、交通安全施策につきましては、通学路における危険箇所の把握に努めつつ、グリーン帯の整備を進めるとともに、交通安全教育や啓発活動により、市民の皆様の交通安全に対する意識を高めることで、交通事故のないまちを目指してまいります。

 犯罪対策としましては、防犯カメラの設置を希望する自治会等への設置費用の補助や犯罪等の認知件数の多い公園への防犯カメラの設置、地域が行う防犯活動の支援など、犯罪を抑止する取組を進め、市民の皆様が安心して暮らすことのできる治安の良いまちを目指してまいります。

「子どもの未来を創り 豊かな文化を育むまち すずか」

 私が就任以来、特に注力してまいりました、子育て支援や教育に関する施策についてでございますが、これからの人口減少・少子高齢社会におきましては、社会全体で子どもたちを育くんでいく仕組みを構築していくことが重要となります。

 本市といたしましても、安心して子育てができる環境づくりを実現するため、これまで以上に市民の皆様に寄り添った、より効果的な施策を講じていく必要があると考えております。
 そのため、不妊治療助成費の拡充や、子どもの成長を記録する「すずっこファイル」を活用した支援体制の充実など、妊娠前から子どもが大人になるまでの成長過程における、「途切れのない支援」を引き続き推進してまいります。

 また、子どもの居場所づくりに向けましては、「子ども食堂」の活動を支援してまいりました。

 子ども食堂を地域のコミュニティの場として継続して活動できるよう、「すずっこ食堂ネットワーク」を中心に連携していくとともに、地域、企業、関係団体などの皆様と協力し合いながら、一体となって、子ども食堂の活動を拡げてまいります。

 教育分野におきましては、中学校給食の完全実施をはじめ、市内すべての公立小・中学校における各教室へのエアコン設置や、トイレの洋式化、児童・生徒一人1台の端末の配備など、次世代を担う子どもたちの教育環境を整えてまいりました。

 今後は、児童生徒の活動の場である学校の体育館にエアコンを整備し、熱中症予防など、環境改善を図ってまいります。学校施設は、地域の防災拠点としても重要な役割を担っておりますことから、避難所の環境改善にも役立つと考えております。

 なお、今後は学校の小規模化に伴う教育上の諸課題が一層顕在化されることが懸念されます。このことからも子どもたちの教育環境の新たな創造のための政策を推進してまいります。

 中学校における部活動の地域移行に向けましては、ロードマップを作成し、地域と連携しながら、子どもたちにとって充実した部活動となるよう取り組んでまいります。

 教育現場におきましては、GIGAスクール構想により配備いたしました端末を積極的に活用し、オンライン授業や、デジタル教科書などのデジタル教材を効果的に活用しながら、教育のDXを図ることで、学力の向上や、長期欠席の児童・生徒への支援につなげ、児童生徒の「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実と、子どもたちを誰一人取り残さない教育の実現に向けて取り組んでまいります。

 次に、現在休館しております文化会館につきましては、令和6年度のリニューアルオープンに向け、民間事業者が設計、建設、維持管理を一括して行うDBM方式を採用し、長寿命化改修を行っております。

 今後、文化会館とイスのサンケイホール鈴鹿の両会館におきましては、指定管理者制度を導入し、市民サービスの向上につなげるとともに、これまで、コロナ禍において制限されておりました、市民の皆様の文化・サークル活動やイベントなどにつきましても、順次、再開されておりますので、鈴鹿ならではの特色を生かした取組をこれまで以上に促進していくことで、文化を育み、心豊かに過ごせるまちを目指してまいります。

 また、スポーツ振興につきましては、AGF鈴鹿陸上競技場の付帯設備として、石垣池公園市民プールの跡地の整備を行うなど、より快適な利用環境を整えることで、スポーツ人口の増加や競技力の向上につなげてまいります。

 昨年度創設いたしました「スポーツボランティア制度」の更なる活用により、市民の皆様がスポーツを「する」、「観る」、「支える」といった多様な楽しみ方の機会を創出してまいります。

「みんなが輝き 健康で笑顔があふれるまち すずか」

 冒頭申し上げましたように、コロナ禍の経験の中で、地域医療の充実に向けた取組を進めていくことの重要性を痛感したところでございます。

 市民の皆様、一人ひとりの生命を守るためにも、まずは医療体制の維持・拡充を図る必要があると考えております。

 現在、地域医療を中核的に担う民間の基幹病院を中心に、医療体制の充実を図っていただいておりますが、特に夜間・休日における小児救急への対応について、病院に勤務する小児科医師の不足等の理由により、市内で十分対応できていない状況がございます。

 少子高齢化や核家族化など、社会情勢の変化により、子育てに対する不安や負担感が増大する中、市民の皆様に、安心して子どもを産み、子育てをしていただけるよう、身近な地域で小児医療を受けられる体制の充実を図ってまいりたいと考えております。そのためにも、引き続き、三重県や鈴鹿市医師会をはじめとする関係機関の皆様、更には三重大学とも連携しながら、地域医療の充実に取り組んでまいります。

 また、超高齢社会が更に進むとともに、核家族化による単独世帯が増加するなど、家族形態の構造的な変化により、市民の皆様の福祉へのニーズが多様化する中、高齢者や障がい者の皆様をはじめ、誰もが住み慣れた地域で心身ともに健康で自立して暮らしていけるよう、引き続き、住まい、医療、介護、介護予防・生活支援が、一体的に提供される地域包括ケアシステムの確立に向けて取り組んでまいります。

 そして、これらの取組とともに、多様化する福祉へのニーズや、地域での複合的な課題に対し、鈴鹿市社会福祉協議会などの関係機関と一体となって、福祉分野をはじめ、あらゆる分野の制度の垣根を超えた包括的な支援が行えるよう、重層的支援体制の構築に取り組み、地域共生社会の実現を目指してまいります。

「自然と共生し 快適な生活環境をつくるまち すずか」

 本市では、次世代の子どもたちが安心して暮らせる持続可能なカーボンニュートラル社会の実現を目指し、昨年9月に、「鈴鹿市ゼロカーボンシティ宣言」を行い、世界首長誓約に署名をいたしました。また、地域新電力会社である「鈴鹿グリーンエナジー株式会社」を設立し、電力の地産地消を進めているところでございます。

 今後は、「鈴鹿市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」に基づき、温室効果ガスの削減などに取り組むことにより、緑豊かな自然を次世代の子どもたちに引き継ぎ、持続可能で健全な生活環境を創造してまいります。

 また、クリーンセンターをはじめとする、市民生活に欠かせない廃棄物処理施設などの整備を着実に進めることで、市民の皆様の環境衛生の向上を図るとともに、循環型社会の構築につなげてまいります。

 次に、本市の持続的な発展を支える都市基盤の強化に向けた取組につきましては、企業活動を支えるとともに、災害時に機能する幹線道路ネットワークの早期整備が必要です。

 本年度中の全線開通が予定されております国道23号中勢バイパスに加え、新名神高速道路をはじめとした高速道路網と接続する一般国道306号「鈴鹿亀山道路」、また、国道1号と国道23号のダブルネットワーク化を実現する国道23号「鈴鹿四日市道路」の早期整備に向け、引き続き、国や三重県に強く働きかけてまいります。

 これら広域的な幹線道路のネットワークが整備されることにより、高速道路網へのアクセスや企業活動の生産性の向上が大きく期待されるとともに、大規模災害発生時における輸送機能の大幅な強化につながるなど、本市におきまして非常に大きな効果をもたらすものであり、更には、県内、北勢中勢地域の発展に寄与するものと考えております。

 さらに、市の道路事業では、交通渋滞を解消し、スムーズな車での移動や歩行者への安全対策を実現するため、汲川原橋徳田線の4車線化及び歩道整備に引き続き取り組むとともに、鈴鹿四日市道路の整備に合わせて、平野三日市線、三日市地子町線などの整備を進めてまいります。

 また、道路等のインフラ資産の維持管理につきましては、舗装や水路等の修繕、橋りょうの耐震化及び長寿命化のための整備を計画的に進め、限られた財源を効果的に活用し、安全性の確保に努めてまいります。

 地域公共交通につきましては、次期総合計画策定に当たり実施いたしました市政アンケート調査におきまして、「移動空間の安全性・利便性の確保と公共交通の利便性の向上」という項目に対する満足度が最も低かったことから、重要課題であると認識しております。

 このため、現状の地域公共交通ネットワークの維持や利便性の向上を図るとともに、地域の皆様と一緒になって、「デマンド交通」をはじめとした新たな移動手段の導入等について検討し、実証運行を経て、本格運行への移行を進めてまいります。

 都市公園につきましては、適正な維持管理による施設の長寿命化を図るとともに、パークPFIなど、公民連携による施設の利活用を検討し、都市公園の魅力や利便性の向上を図ってまいります。

 ライフラインの一つである上下水道事業につきましては、「鈴鹿市上下水道事業経営戦略」に基づき、更なる経営の健全化に向け、広域化や共同化、民間委託などを検討し、その活用に向けた取組を進めてまいります。

 その上で、水道事業では、引き続き、管路や施設の耐震化を図るとともに、安全で安心な水道水の安定供給に努めてまいります。

 下水道事業では、汚水処理施設整備の概成を目指して公共下水道の整備を進めていくほか、農業集落排水処理施設を適切に維持管理し、施設の長寿命化を進めてまいります。

 これらの事業を進めることにより、市民の皆様が快適に暮らせるまちを目指してまいります。

「活力ある産業が育ち にぎわいと交流が生まれるまち すずか」

 先ほども申し上げましたが、本年度に、国道23号中勢バイパスが全線開通する予定です。このように、本市の骨格軸となる幹線道路の整備が進んでおりますことを大きなチャンスと捉え、産業活性化を図るために、企業誘致の取組を一層強化してまいります。

 現在、鈴鹿椿工業団地では、民間主導の土地区画整理事業により4区画が整備されており、本市といたしましても早期の企業誘致に向けて取り組んでいるところでございます。

 今後は、効果的な土地の利活用の検討を行いつつ、中長期的に企業誘致を推進するための戦略を策定し、雇用の創出を図るとともに、若年層を中心とした人材の確保・定着に向け、官民が連携した雇用対策にも取り組んでまいります。

 ものづくり企業に対しましては、自動車のEV化に伴う産業構造の転換の影響や経営における課題などを把握し、ものづくり産業支援センターの専門アドバイザーのノウハウを活用しながら中小企業の困りごとに対する支援、研究開発や事業展開の支援に取り組むとともに、研修などにより人材育成を行ってまいります。

 農林水産業の持続的発展に向けましては、ほ場整備事業や農業用水のパイプライン化など、農業生産基盤の整備を促進し、優良農地の確保、農地の集積・集約化を推進するほか、農林水産業の担い手を育成するとともに、食料安全保障の観点からも、食料の安定供給に向けた取組を進めてまいります。

 また、「すずかの地産地消推進条例」に基づき、生産者、消費者、事業者との連携により、安全で安心な農林水産物等の生産及び供給の推進を図り、学校給食にも安全・安心な「すずか産」の食材を取り入れるなど、豊かで健康的な市民生活の実現に向けて取り組んでまいります。

 世界的な知名度を誇る、本市最大の地域資源であるモータースポーツは、3年ぶりの開催となったF1日本グランプリや鈴鹿8時間耐久ロードレースが、大きく盛り上がりをみせるなど、明るい要素が多く見受けられています。

 この流れをより一層加速させるため、eモータースポーツの活用など、本市の強みを生かした取組を進めていくことで、新たなファン層を生み出し、リアルとバーチャルの両面からモータースポーツのまちを発信してまいります。

 さらに、鈴鹿商工会議所、鈴鹿市観光協会をはじめとした関係団体の皆様と手を携え、知恵を出し合うことによって、本市の豊かな自然や文化、伝統産業などの地域資源の磨き上げを行い、稼ぐ力を醸成し、本市の関係人口を拡大していくことで、さらなるにぎわいや、交流が生まれるまちを目指してまいります。

「市民力、行政力の向上のために」

 ここまで述べてまいりました、5つの「まちづくりの柱」を推進していくためには、その基礎となる市民力、行政力の更なる向上が欠かせません。

 そのため、男女共同参画、多文化共生、地域づくりなど、市民力の向上に引き続き取り組むとともに、質の高い行政経営を実現するための行政力の向上にも取り組んでまいります。

 まず、男女共同参画につきましては、ジェンダー平等を推進するため、鈴鹿市男女共同参画センターを拠点施設として、市民の皆様に男女共同参画意識を高めていただけるよう、引き続き情報発信や啓発事業に取り組んでまいります。

 人権政策につきましては、本年度、人権尊重都市宣言30周年を迎えることから、「じんけんフェスタinすずか」を宣言日である10月1日に合わせて開催する予定をしています。節目の年を記念するとともに、啓発事業を通して、更なる人権意識の高揚を図ってまいります。

 多文化共生の推進につきましては、近年、本市におきましては、様々な国籍の方が生活していることから、多言語化への対応が課題となっています。そのため、本年4月に、新たに導入いたしました行政情報の多言語化、及び電子化に対応したアプリケーションを活用するなど、外国人市民が生活する上で必要な行政情報や生活情報を届ける手段を拡充してまいります。

 地域づくりの取組につきましては、市内に28の地域づくり協議会が設立し、地域の特性に応じた地域計画のもとに、子どもの見守り活動、子ども食堂の運営や高齢者の移動手段の支え合い、工夫を凝らした防災訓練など、自助・共助の取組が進んでいるところでございます。

 行政といたしましても、市民の皆様が主役のまちづくりを推進するために、地域活動に必要な多様な主体との連携を支援するとともに、まちづくりのパートナーとして、互いに対等な立場で共に考え、話し合いながら、持続可能なまちづくりを進めてまいります。

 行政力の向上につきましては、まずは、市民の皆様との情報共有が重要になると考えております。

 そのため、インターネット上の本市のポータルサイトとなる「鈴鹿市ホームページ」の全面リニューアルを行うほか、SNSを活用するなど、行政情報をより分かりやすく、効果的に発信してまいります。

 公共施設マネジメントにつきましては、「鈴鹿市公共施設等総合管理計画」を着実に推進するため、施設保有量の適正化や運営管理の適正化、公共施設の長寿命化に継続して取り組んでまいります。

 財政運営につきましては、引き続き厳しい中ではございますが、鈴鹿市総合計画を中心とし、予算編成、行政評価、人事評価などの各行政システム間の連動を図るトータルマネジメントシステムを引き続き推進することで、経営資源を効率的、効果的に配分するとともに、財政規律を堅持し、計画的かつ健全な財政運営に努めてまいります。

 行政力を支える本市職員の能力向上につきましては、現在のように移り変わりの激しい時代におきまして、多様化する市民ニーズにお応えし、新たな行政課題にも的確に対応できるよう、市職員の行政経営に対する意識を高めるとともに、法務能力、情報収集・企画・発信などの政策形成能力、調整を図るためのコミュニケーション能力、職務執行能力の向上に引き続きしっかりと取り組んでまいりますとともに、私自身、市政運営に対する決断力とリーダーシップを発揮し、力強い行政経営を進めてまいります。

3 むすび

 本市が更に発展し、輝き続け、次の世代に引き継ぐためには、これまで培ってまいりました本市の魅力を最大限、発揮するとともに、これからの時代に合ったものを積極的に取り入れながら、より高みを目指した取組を実行していくことが肝要であると考えております。

 そのため、主体的にコロナ禍を乗り越え、新時代を切り拓いていく「Beyondコロナ」を見据え、AIなどのデジタル技術を活用し、暮らしをより良いものへと変革していく「DX」、温室効果ガスを実質排出ゼロにする「カーボンニュートラル」、持続可能な開発目標である「SDGs」などの新たな考え方と技術を取り入れながら、人口減少、少子高齢社会への対応をはじめとする、あらゆる課題の解決に向けて力強く取り組んでまいります。

 そして、市民の皆様との協働と、市議会の皆様との活発な議論を通じて、笑顔で活力にあふれる「住みやすい」、「住み続けたい」と感じていただける鈴鹿市を共に実現してまいりたいと存じます。

 議員各位の御理解と御協力を賜りますことをお願い申し上げ、4期目に当たりましての私の施政方針とさせていただきます。

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