第2回「鈴鹿農業の未来を創る会」

ページ番号1006377  更新日 2024年1月23日

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とき
平成29年7月31日(月曜日)19時~20時35分
ところ
市役所本館12階1202会議室
参加者
鈴鹿農業の未来を創る会 5人(男性5人)、市長、その他関係市職員

今回のミーティングで出た主な意見

  • 稲作農家が抱える問題について
  • 圃場の集約について
  • 新しい品種について
  • 直売所について
  • 担い手について
  • 人農地プランについて
  • 補助金について

1 開会のあいさつ(事務局)

 皆さんこんばんは。本日は、「市長と話そう!鈴鹿(まち)づくりミーティング」にご参加いただきまして、本当にありがとうございます。私は、本日の司会を務めさせていただきます、市民対話課長の植田でございます。よろしくお願いします。
 さて、この鈴鹿(まち)づくりミーティングは、市長自身が最も大切に考えております「対話と協働」を進める上で、重要な事業でございます。そうした中で、このミーティングも平成23年度より回を重ねてまいり、各地域の皆さま、各分野で活躍されている団体の方々と意見交換を行ってまいりました。本日の市長ミーティングが、本年度第2回目となります。どうぞよろしくお願いします。
 それではまず、初めに、末松市長より挨拶をさせていただきます。

2 市長あいさつ

 改めましてこんばんは。大変お世話になっております。鈴鹿市長の末松でございます。本日は鈴鹿農業の未来を創る会の皆さま、若い農業者の皆さまとの鈴鹿(まち)づくりミーティングにご参加をいただきまして誠にありがとうございます。また、平素より本市の市政運営にご尽力、ご協力をいただいておりますこと重ねてお礼と感謝を申し上げます。
 この市長と話そう鈴鹿(まち)づくりミーティングは、私が市長に就任をして以来、最も大切な事業としまして、年間いくつかの団体や地域の中で活躍をしていただいている方達と対話を重ねながら、政策に反映しようということで実施している事業です。
 過去に開催させていただきましたミーティングの中でもいろいろな政策提言をしていただきまして、いくつか実現をさせていただいております。そんな中で今回皆さまと「市長と話そう!鈴鹿(まち)づくりミーティング」を開催できる機会をいただきましたことを本当に感謝を申し上げたいと思っております。
 鈴鹿市は平成25年に鈴鹿市というまちをイメージをしようということでイメージキャッチコピーを作りました。これが「さぁ、きっともっと鈴鹿。海あり、山あり、匠の技あり」です。先日8時間耐久ロードレース8耐が40回の節目ということで盛大に閉幕し、人数も若干伸びてきたということで、モータースポーツファン層を育成しています。鈴鹿サーキットを中心としたモータースポーツ都市宣言をしているまちとしましては、地域資源として大切にしていきたいと思っています。それと併せまして伊勢湾から鈴鹿山系に広がる大変自然に恵まれた鈴鹿市のまちです。その自然から恵まれるまちの中で、そこから生まれる農水産物あるいは伝統工芸、そういったこともたくさんあります。特に農水産物、皆さま方に担っていただいております農業も大切な地域資源の一つで、鈴鹿市は農業市でもあるというふうに思っておりますし、いくつかの産地もかかえていると自負しています。そんな中での皆さま方との話し合いをさせていただき、テーマが専門的でございますのでどんどん今日は教えていただいて、20年30年50年先にも鈴鹿市の農業をしっかり守れる市に、地域にしていきたいというふうに思っておりますので、今日の会を有意義にさせていただければと思っております。本日はお忙しい中ありがとうございます。この後よろしくお願いします。

3 参加者代表者あいさつ(※※※※様)

 ※※※※代表の※※※※と申します。本日はお忙しいなかありがとうございます。市長は今日の参加者の方をご存知ですか。私が人選させてもらったんですけど私の何倍も農業について考えている方たちを選ばせていただきました。本日は農業について意見交換し、少しでも理解していただいたらと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

4 参加者自己紹介

参加者 ※※※※の※※※※です。主に※※※で農業をさせてもらっております。主に米、麦、大豆を栽培してまして、最近は野菜を中心に、トマトや白菜、玉ねぎ、にんにくなども栽培しています。直売のほうにも力を入れています。よろしくお願いします。

参加者 ※※※といいます。※※※で主に米、麦、大豆を作っています。去年くらいから少し胡麻の栽培を始めました。

参加者 ※※※で水稲、麦、大豆をやっています。※※といいます。よろしくお願いします。

参加者 ※※で水稲、麦、大豆をやってます※※です。よろしくお願いします。

参加者 ※※で水稲、あと飼料用の稲ホールクロップサイレージや飼料用のトウモロコシと食用のトウモロコシ、冬場には白菜やキャベツを最近作り始めました。※※※※の※※と申します。よろしくお願いいたします。

5 事務局概要説明

(省略)

6 意見交換(ミーティング)

稲作農家が抱える問題について

市長 それでは、現在の稲作農家の実態についてお聞かせいただきたいと思います。

参加者 私から稲作農家の実態について説明させていただきます。私たちは米、麦、大豆を中心に栽培しておりまして、その他にもトウモロコシや胡麻などの野菜も栽培しています。栽培している土地はほとんど地権者から借りて栽培しています。自分たちの持っている土地というのはかなり少ないと思います。その中で土地を借りる代わりに1反、およそ10アールあたり50キロから60キロのお米を納品することで土地を借りています。そういった状況で最近、よく話に上ることを3点ほど挙げさせてもらいます。
 一つ目に、お米の栽培における水不足が深刻だということです。水が出る日が3日ごとになっていまして、つまり3日出て3日出ないということで、水管理がしにくいということです。
 二つ目に、米の減反政策廃止によって今まで3割お米以外を作れば補助金がもらえていたのですが、平成30年を機になくなるということで、それをきっかけにみんなが米を作り始めると水不足が加速し、米の価格が変動するのではないかということが懸念されます。三重県は、小麦や大豆の需要が高いので、もっと作ってほしいという要望もあるようです。
 三つ目に、減反政策廃止に伴って集団転作するときの市単独助成金がなくなるのではないかという噂があります。その点について懸念しています。

市長 どうもありがとうございます。水稲する際に水が非常に足りないということですね。これまで水不足を課題にしていませんでしたが、水不足の解消はどうしているんでしょうか。

参加者 番水を実施しています。7月20日くらいから始めました。ブロックごとに分けてあって、3日に1回水を止めて、今日はこのブロックは出します、このブロックは止まります、というようにブロック別に回しています。要は節水みたいな感じです。例年そうやって雨を待っているのですが、いつもなら番水の表が回ってきたころに雨が降って解消されますが、今年は全然雨が降らず、今もこの状態が続いています。対策として、それぞれの農家がバルブを開けて出しっ放しにせず、水がたまったら止めるなどみんなが気をつけていますが、後は集団転作するくらいしか対策はないと思います。ポンプの電気代などで昨年は1反あたり4千円払っていた水利費が5千円に上がりまして、ゆくゆくはもっと上がるんじゃないかと心配しています。水不足がどんどん加速していくとみんな思っています。

市長 パイプライン化をしているところばかりなんですよね。※※※は違うんですか。

参加者 僕のところは三重用水ではありません。

市長 どこから水を引いているんですか。

参加者 うちは全部井戸です。

市長 水不足のお話、最初からびっくりしました。それはみんな、沿岸土地改良区が管理しているんでしょうか。

耕地課長 沿岸土地改良区だと思います、今年は鈴鹿川の水が降水量が少ないもので、番水体制といいましてブロック別にずっと水を回しているようです。水がないときには三重用水の水を買ってほぼ300万トン近く使っていると聞いています。今年は特に渇水だと思います。今年、役員会では水がないので節水を進めていくのではないかと思います。

参加者 井戸の水は雨が降らないのでもう足りない状態ですが、ほとんど自分のところだけで使えばよいので、順番に使えばいっきに全部必要という事ではなく、なんとか賄えています。

参加者 今年が特別ということではなく、例年どうかと言えば、毎年番水になっています。麦、大豆を栽培する上では、水はほぼ必要ありません。逆に水があると大変になります。

市長 私は現在、沿岸土地改良区の理事長をしています。水の話は、皆さんよりも二世代くらい上の方たちにお話を聞きますが、最終的に水は心配しなくても良かった、と終わっていくことが多いです。毎年、何回か会議を開催しますが、例年ならばもう少しで番水と言いながらも、しばらくすれば水不足が解消し、最終的には「節水しなくて良かった、今年もうまくいった」と終わっていくと聞いていたので、鈴鹿市としては水不足が切実な問題だとは捉えていませんでした。三重用水の話も含めてこれは鈴鹿市だけの問題ではなく、沿岸も含めて三重用水の問題でもあります。天候次第ですし、自然を相手にしているので非常に難しい問題です。一つの課題として認識させていただきました。ありがとうございます。
 先ほど減反政策の話もありましたが、直接支払交付金の廃止を含めて心配いただきました。鈴鹿市では麦に定着する方が多いかもしれませんが、皆さんは、麦を作ったり、農地・水・環境保全の関係でコスモスを植えたりはあまりしていないんでしょうか。
 直接支払交付金については、30年度から廃止になりますので、それについては、なんとも言えませんし、その代わりに市が単独補助金などで何かできるかというと今の段階では難しいところもあり、夢のあるようなお答えはできません。もう少しこれからの国の政策など、いろんな話をしっかり情報をキャッチする中で皆さん方と考えていきたいと思っています。
 この数年で若い皆さん方はいろんな端境期のなかでがんばっていただいていると思います。こんな農業にしていきたい、こんなことをこれから展開を考えている、若干関連はあるけど少し違う展望などのお話を聞かせていただけるのならば教えていただきたいです。

圃場の集約について

参加者 弊社の場合は麦、大豆はあまりやっていません。全国的には田んぼを中心に担い手がおらず農地が荒れていく話をよく聞きます。鈴鹿市の場合は担い手がものすごく多く、がんばっている若者も多いので、田んぼが簡単には回ってこない現状があります。それは全国的に見たらすごく良いことだと思いますが、単純に米の面積を広げていくことが簡単にはできません。ですから面積を増やすのではなく、限られた面積の中で効果価値を生めるようなものを今後は追及していくべきだと考えています。現在はそれに向けて野菜などに手を付け始めたという状況です。もちろん田んぼをもっと耕作させてもらって耕作放棄地を有効に活用でき、耕作面積を増やせるのであれば、集約的な農業をやりたいのですが、今のところ後者は簡単にはできない現状にあります。

参加者 僕も近い地区にいます。一般の兼業農家の方もとてもがんばっている地区でなかなか離農しません。良いことだと思いますが、その結果田んぼの集約はなかなか難しく、田んぼ一枚あたりの大きさをどんどん広げられるように、例えば3枚続いている田んぼなどは地権者さんにお願いしに行って、中あぜを外して1枚にしていくことを3年くらい前から始めました。成果もありだいぶ仕事の回りも良くなってきています。農地はたくさんあり、担い手はいるけれど全員が一気にやめたら、きっちり作ることはできないと思います。
 うちは直接田んぼに稲の種をまいて、ハウスで苗作りをせずに乾田直播(かんでんじかまき)というやり方で今5年以上先を見据えてやり始めているところです。

市長 乾田直播ですか。乾いたということですか。

参加者 それをすることによって田んぼがすごく乾きやすくなるので、普通に田植えをしたところよりも水はけがよくなるのでブロックローテーションといって米、麦、大豆と回していったときに、米から麦に転換するときに畑地化しやすいというメリットがあります。それなのでブロックローテーションの面積を増やして乾田地化も可能です。また、収量も安定して取れるように頑張っていこうと考えています。

参加者 だいたい同じようなことをしているのですが、私たちの地域では営農組合みたいなものがあってブロックローテーションで地域の方の麦大豆は私ともう1軒で担っているんですが、この先減反政策がなくなると、ブロックローテーションをやめる方も増えてくるかもしれません。そうなると水不足が加速することも考えられます。僕たち担い手としては、よく乾く田んぼなどは畑作中心の農業をやろうかなと思っていますが、それでも乾田直播などをやると補助が出るといっても、やっぱり雨の降った次の日に田んぼに入ることはなかなか難しいです。そうなると3日4日は、その田んぼに入れず仕事ができない状態になります。岐阜県などの先進地へ担い手を対象にした研修に行くと、地面に穴(暗きょ排水)を掘っているところがあります。そういったところではすでに掘ってあるんですが、※※の※※君のところも何カ所か自分で掘っています。先進地へ行くと補助金がおりているようです。全国的にあるものなのか分かりませんが、市に聞いてもはっきりと分からないらしいんです。自分たちでコストをかけてそういった田んぼを作っていかないと次世代につながりません。水稲ばっかりではやっぱり利益が出ませんので、先進地ではそのような助成金であったり補助金とかっていうのをやっています。聞くところによると徳居の方で灌排(かんぱい)の工事をやってると思うんですけが、そのように区画整理をやっているときに同時にやってしまうと早いと思います。しかし三重県や鈴鹿ではそのようなことはやっていないので、整備のお金の問題があると思うんです。ですが将来を見据えて考えるのならば雨が降った次の日でも圃場は入れるくらいの設備を整えていく必要があります。水稲も安いものも入ってくるので、畑作に転換していくのに何をしていくか模索しています。

新しい品種について

参加者 胡麻なんですけど。今までだいたい全国的に収穫も全部人の手でやってるんですけど、それを機械化していこうと思っています。今は鹿児島が全国1のシェアなんですが、三重県というか鈴鹿で全国1位をとろうと思ってがんばっています。

市長 胡麻の産地になっていくんでしょうか。

参加者 せっかく作るのなら、そうしたいと思っています。今、鈴鹿って言われても特産物がないと思いませんか。お茶やさつきはありますけど。

市長 そうですね。農業でいくとお茶。さつきは植木ですよね。あとは、農協が白ねぎをやってますし、キャベツとか白菜とか産地まではいかないかもしれませんが、けっこう作ってるところはあるようです。

参加者 野菜を作っている中で単位労働時間の収益を高めることがなかなか出来なかったんですが、機械化を進めれば単位労働時間あたりの収益は増やすことが出来ると思います。たまたま※※※※※が一生懸命取り組んでいて、もともと生産量が少ないのでどれだけでもほしいと言ってくれています。

市長 胡麻っていつ作付けするんですか。

参加者 ちょうど今から1カ月前くらいから種蒔きしだして、今花が咲いて、10月くらいに収穫ですね。コンバインで収穫をしています。昨年初めて作ったんですが、柵ごとハウスに並べて乾かし、あと実を選別して、それも全部機械で出来るようにしています。

市長 胡麻の花っていうのもあまり見たことがないです。

参加者 ぼくも昨年初めて見ました。

市長 胡麻の作付けに、鈴鹿は適しているんですか。

参加者 広瀬から向こうが黒ボク土のほとんど畑になっていまして、雨が降った翌日でも良く乾きます。胡麻は湿気が苦手なので適しているといえば適しています。胡麻は使える除草剤がないので、雑草との戦いみたいな感じです。

市長 ちなみにどれくらいの面積で胡麻を作ってるんですか。

参加者 今年は、私のところでは、約3ha。※※※で作付けしている方も同じか少ないくらいの面積です。ですからうちが面積的にいくとトップクラスです。機械仕事なのでロスも多いし、収量はどうなるか分かりませんが。

市長 初めて作るときは、すごく勇気がいったのかもしれませんし、作付けする品種を広げれば手間もかかるでしょうし、薬も変わったりとかいろんなことがあるでしょうが、その辺で胡麻を選んだ理由はありますか。

参加者 飽き性なので、同じ作物を作るのに飽きてきたのが理由でしょうか。タイミングがちょうどよかったというのと単価もそこそこよかったので選びました。昨年は、4、5反くらいだったので、失敗しても済むような量だったんですが、やってみるとうまくいったので、今後もがんばってみようと思いました。

市長 とても期待しています。胡麻畑を見に行きたいです。

参加者 山のほうになりますけどね。

市長 黒ボク土が適しているんですね。

参加者 乾いて、土が細かくなるところだったらどこでも大丈夫です。

市長 最近、さつきの後の黒ボク土とか、黒ボクにんにくとか、いろんなそういうのを試している人もたくさん見えますね。まだまだ、産地には程遠いですか、にんにくは。

参加者 ぼくはやったことないのでわかりませんが、手作業をあまりしないもので。

市長 なるほど。胡麻は、大豆と一緒のコンバインでやっているんですね。

参加者 大豆と一緒のコンバインで収穫すれば、新しい投資をしなくてもいいのでいいです。

市長 すごく胡麻の話が広がりましたね。皆さん、将来は胡麻やるんですか?

参加者 うちは山地ではなく甲斐や野辺の方で、水田が主なので圃場の整備をしなければ、畑作物はできません。

市長 ※※さんのところはどうですか。

参加者 私も畑作のものはすごく興味があります。田んぼ以外に畑地は、土の質が違うので水が引きやすいんです。今年はそういうところも借りています。私はいろんなことを勉強するのが好きですし、実際作ってみないと分からないという性分なので、とうもろこしも作ってみましたし、給食用のたまねぎも作っていまして、いまも勉強しているところです。私は皆さんと比べて耕作面積が少ないので、一反あたりの面積で収益を上げることが課題です。※※さんと違って、私は手作業が好きなので、収穫してすぐ食べれるようなものが好きなので野菜に力が入ります。トマトも収穫しながらぱっと食べて、自分は本当においしいと思えるものが身が入ります。とうもろこしを作っていて、食べてみたらすごくおいしいと思えるので身が入りますし、さらにもっと良いものを作っていけたらと思えますので、今は野菜のほうに力を入れています。胡麻も今年お話いただきましたが、そのお聞きした時期が遅かったので、栽培時期を外してしまい栽培できなかったんですが、来年は試験的にやってみようと思っています。

直売所について

市長 直売所も最近力をいれているという話があったんですが、皆さん方が作っていただいた農作物を、グループを組んでまとまっていただいて直売所を作って売るとか、そんなことをやっていく可能性はありますか。ちなみに今はどこの直売所を利用していますか。

参加者 果菜彩(かなさい)がメインなんですけども、最近、本当に直売所が乱立していまして、競争が激しくなっています。その中で潰れていく直売所もありまして、やはり生産者の顔が見えたり、店に入ったところに生産者の顔写真が並んでいるとか、そういう創意工夫をしているところは生き残っていくんです。工夫されているところはお客さんも多いし、売り上げも上がりやすいので、そのようなところを選んで出していくのも一つの手だと思っています。今のところ生産者でまとまって直売をするという話はなかなか無いですね。

参加者 六次産業として物を作って、直売所に持って行っているという感じですね。自分らで直売所というのは難しいです。ところで、直売所の話になったので聞きたいのですが、新名神の鈴鹿のインターが出来る予定ですが、農業者に対して鈴鹿市として何かしていただく予定はあるんですか。

市長 新名神高速道路の三重県区間が平成30年度に全線開通しますので、予定でいけば平成31年2月末から3月始めくらいには同時に鈴鹿スマートインターチェンジが開設予定です。今NEXCOから言われているのは、鈴鹿市で一部場所を利用してもらっていいと言われています。御在所インターのように、外からも中にも、中から外にも出ることができる通路を作りますので、高速道路に乗らない方もその場所を利用できるようになります。少し意味が違うかもしれませんが、道の駅風のスマートインターチェンジになる可能性が大いにありますし、できることならそのようにしたいと思っています。そういう場所ができれば、中の利活用もさることながら、インターの外も農地の区画整理事業で農地の優良団地化も図っていきます。地元から言われているのは例えばトラック市をやりたいとか、簡易な施設を作って農業体験のできるようにしていきたいという話も聞いておりますので、若干時間がありますが場所は確保してありますから、今後皆さん方と話の中で検討することができるんではないかなと思っています。完全に農家や農業体験になるかどうかは別にしても、中も利活用できるし外にもスペースもあるので、ある意味六次産業化していったりとかやる気のあるところと組みながら検討していけると思っています。

参加者 残念ながら鈴鹿市だけ道の駅が無いので、ぜひお願いします。

担い手について

市長 そういうところができたら直売所もそうですが、さまざまな事業の提案もいただいて、特色あることが出来たらいいと思います。先ほど、担い手が多いとおっしゃいましたが、鈴鹿は担い手が多いんですか。離農者が少ないという話もありましたが。私は、耕作放棄地が結構あって、そんなに担い手が多いという認識があんまりなかったんですが。

参加者 場所にもよります。※※さんのところは結構山間のところですし、結構大変なところなので、兼業の方も大変な思いをするのが嫌なので結構早めに辞めてしまうのです。ありがたいことに※※などは区画整理が整った場所なので仕事しやすく、みんなのびのびがんばっている状態です。おそらく面積あたりの担い手は、東部地区は非常に多いですね。※※君のいる地域も多いと思います。※※さんのところは一人で、敵無しというところではないでしょうか。

市長 では若手の農業者も非常に多いんですか。

参加者 鈴鹿は多いですね、若手と言っても同世代ですが。20代の担い手というのが全国的にも鈴鹿は多いですね。

市長 20代の方もたくさんいらっしゃるんですね。

参加者 そうですね。ぼくよりも年下の方もいらっしゃいます。平成4年生まれの方もいらっしゃいます。

市長 農業の魅力というか、なんで農業を一生の仕事にしようと思ったのか、その辺を含めてちょっと聞かせていただけると。

参加者 皆さんと違って、親が農家というわけではありませんし、うちの社長とも血縁者というわけではありません。サラリーマンとして農業を始めて、今も携わっている立場ですので特殊だと思います。私は、もともとサラリーマンの家庭に生まれて、四年生大学に行って、金融機関で働いていたんですが、金融機関が嫌になったというのが理由の一つです。当時、「儲かる農業」ということが言われ出した時代で、その時代の波に騙されたというところです。実際、農業をやるようになって、※※さんと同じように飽き性なので、いつも同じことをやっていると飽きてしまうところがあるんですが、農業は田植えするだけでなくて、機械をいじることもあります。事業の規模が小さいからこそ全てやらなくてはいけないというところが面白いと思っていまして、ずるずると今に至っています。今考えれば、性分に合っていたのだな、と思っています。

参加者 私は農家の息子で、父が26年位前に事業を始めて、僕が今30歳なんですけど、農業をやれとか跡を継げとかこれまでに一回も言われたことが無いんです。大学に行っているときの夏休みにたまたま手伝ったときにトラクターに乗せてもらって、楽しくなって。騙されたんですかね。いざやってみると、結構好きなようにやらせてもらえる父だったので、失敗してもいいといわれて、毎年自分がやりたいようにさせてもらいました。肥料を何キロ入れるかから始まって、どこに米や麦を作るかとか、そのような段取りも3年目くらいからやらせてもらえるようになって、その辺がよかったのかな、と思います。今でも当時と変わらず楽しいんですが、父から私に世代が変わったときにたぶんお金の管理などもしなくてはいけなくなるので、楽しめるのは今のうちだと思っています。父が元気なうちに、栽培の技術をちゃんと身に着けて、軽く考えすぎかもしれませんが何とかなるのかなと思っています。

参加者 もともとは※※※に勤めていたんです。バブルがはじけた直後の時期の就職だったので、※※※も大変な時期でした。そのころに脱サラして、いろんなことをやってきました。ちょうど※※地区は高齢化が進み担い手がいなかった時代でした。市の政策などで減反政策が始まったときに、ブロックローテーションの話が出てきて、それをうちの父達が受けたんですが、人手不足の状況でした。私の仕事のタイミングがよかったので、跡を継いで一緒に仕事を始めて現在に至っています。これから先、自分の子どもに農業をさせるかというとまだ不安です。政策が変われば農業の業界はころっと変わってしまうところがあるので、その辺を不安に思っています。魅力といえば、※※君が言っているように、例えば40歳で就農して65歳で引退したとしても25年。水稲でも25回しか作れないんですよね。日々実験ではないですが、どうしたらよいものが獲れるのかということを試行錯誤しています。補助金や助成金に頼らないような農家で、いかに儲けられるかということを工夫して、よく獲れたときは「あれが成功だったんだな」ということを日々繰り返しています。また、天候仕事なので、博打みたいなところもあるんですけども。どう儲けていくか、ということを考えていることが楽しいのかなと思います。

参加者 私の親父は畜産をしていて、田んぼも2、3町くらい所有していました。農業大学に行くかと言われていましたが全部断って、会社勤めを始めたんですが、会社が嫌になって辞めてしまいました。その後何をしようかと悩みましたが、畜産は休みがないのが嫌だったので、安易に田んぼでもしようと思って始めました。そして気がついたら今まで何とかやってこれたという感じです。あのころは会社に勤めていたらいい車には乗れないしな、と思って、万が一儲かればいい車に乗れるかなと思って始めました。本当に農業が好きかと言われるとどうか分からないです。でも預かったものは大事に守っていこうと思っています。

参加者 お休みはありますか。

参加者 一応日曜日は休みです。会社を設立したので日曜日は完全に休みです。

参加者 うちの父親が農業をやっていて、小さいころから農業の手伝いを行っていました。農業が生活の一部になっていたので、物心つくころから興味を持っていました。いい点が二つあって、一つは、私は経営が好きで、経営の学校に行っていたわけではないんですが、本屋に行ったら経営についての本を手にとって読んでいました。こういうことでお金を儲けたらいいのかな、って考えていて、サラリーマンだと自由にはできませんが、農業なら自分の好きなようにやれるということがあります。もう一つが自分が食べるものについて、(作ってきたトマトを見せて)このトマトは僕が作ったもので、どうやって作ったのか100%知っています。しかし、他のスーパーで買ったものは、どうやって作ったのか分かりません。自分の身体をつくる構成要素として食べ物はすごく大事で、それを自分で分かっているものを安心して食べられるのが好きです。だからこそ農業はすてきだと思います。高いお金を出して食べたものが安全かどうかっていうのはまた別の話ですので、自分でおいしいものをつくって食べるのが趣味と言うか、好きですね。それが大きな要素です。

市長 なるほど。農業の魅力が皆さんの中から湧き出てくるというように思えましたので、また機会があったらこういうお話をぜひ子どもたちにしていただきたいと思います。せっかく鈴鹿市は小学校も中学校も給食をやっているので、そういうときの食育の授業でそういうお話とかこんなものからこんなものができて、こういう風な食事につながっていくんだとか、水不足から考える田んぼの作り方であったり、機械化するとどうなるのかなど、子ども達の年代に応じて、自分たちの職業を選択するときに農業ということはこういうことなんだということを教えてあげていただきたいと思います。ぜひそういう機会を作らせていただきたいと思います。個人であったり会社であったりという形態の違いについてもお話いただきました。また、担い手が多くて離農しない地域があるというのは他県からみればいいことなのかもしれませんが、これからずっと未来永劫継続的に農業を行っていくには、そろそろバトンタッチも必要なのではないかとか、そういった課題があるということが分かりました。人農地プランや中間管理機構についてはいかがでしょうか。

人農地プランについて

参加者 人農地プランですが、補助金を受ける要件に、人農地プランが結ばれていることが要件になってくることが多いと思うんですが、鈴鹿市は牧田地区だけです。市役所に問い合わせると地区からの要望がないとなかなか動けないと言われてしまいます。地区の人としては必要性があまり分かっていないんです。そのような方にも必要性をもう少し説明いただいて、できるだけ人農地プランを進めるように市の方から働きかけをお願いします。ある補助金も、人農地プランが要件になっていて、僕らも断念したんですが、これからおそらく、国も人農地プランを推しているので、補助の要件にどんどんなってくると思います。鈴鹿市は三重県内で一番低いと思いますので、ぜひ推進していただきますようにお願いします。

市長 ブロックローテーションがうまくいっていると、人農地プランがなかなか結びにくかったりということがあるんでしょうか。中間管理機構の関係でそのようなことがあると聞いてきました。人農地プランも23行政区の枠組みで実施するんですよね。

農林水産課長 人農地プランにつきましては、現在、鈴鹿市23行政区のうち15の行政区でできております。あと、それ以外の出来ていない地区についても、事業を受けたいという要件がありますので、それ以外の地区は鈴鹿市一本でということで、農業者の方が事業で手を挙げられたときに困らないような形をとっております。先ほど、牧田地区ということをおっしゃっていただいたのは、おそらく中間管理事業のことで、確かに中間管理事業については、牧田地区で現在、庄野で取り組みつつあるということで、当然これから地域の農業を考えていく上で、人農地プランは、その集落がどのように将来農業を継続していくかということを考える上で、担い手に託すのが結論になりますので、きちんと位置づけして、その後中間管理事業を使って、利用集積をはかっていくという流れのなかで、市の方としても中間管理事業は平成26年から始まったところで、取り組みをさせていただいているというところです。先ほど市長もおっしゃっていただきましたとおり、なかなか農地を借り上げて再配分するについては、地区によっては集落営農とかあるいはブロックローテーションで地権者が強い力をお持ちという現状があって、取り組みが進みにくいというのが現状ですが、なんとかがんばって行きたいと思っています。

参加者 15地区で色塗りまでできているのは、1地区だけですよね。場所ごとに担い手を分けているのは。

農林水産課長 そうですね。牧田と稲生がほぼ出来ている状況です。その2地区だけですね。

参加者 それをぜひ進めていただきたいです。私の地区は、私達しかいないので、結びやすい地区もあるんです。地区の人達にしてみれば、必要性が理解してもらえません。「結局、お前がしていくのだから関係ない」という感じなんです。その辺を理解していただいて、推進していただきたいです。

市長 中間管理機構の話ですよね。

農林水産課長 そうです。おっしゃるとおりです。今年、深伊沢で30ha規模で中間管理事業をいま試験的に取り組んでおり、順調にいっています。そのようなことをモデル事業として周辺の地区にも国のやる事業を理解してもらうには、実際に目で見てもらわないとなかなか理解してもらえませんので、その辺も一生懸命取り組みたいと思っています。

参加者 お願いします。

市長 あまり意味が分からないとおっしゃっているのは、年配の方々なんですか。

参加者 そうですね。

市長 中間管理機構も牧田ではできているということなんですね。なかなか大変だったのではないですか。

参加者 僕らの親の世代がやってくれました。牧田地区にはお一人、音頭を取ってくれる方がいらっしゃって、苦労なさったと聞いています。ただ、離農を考えている人や、高齢者は必要性が分かっていないので、別にそんなものを使わなくても良いと言って使わない人もいます。その辺を私達が説明して、使わせてもらうようにしています。結構年配の方は全然理解していないというか、辞めるときがきたら仕方が無いという感じかな。

市長 さっき、※※さんの話を聞いて、一人中間管理機構のようなイメージを受けました。どうでしょうか。

参加者 そんな感じですね。

市長 圃場をいくつか合わせて大きくして、中の道を整理して大きくするとスケールメリットもでるし、いろんな中で合理化できるし、そうことを聞いていくと、みんなが地域で中間管理機構をしなければいけないのでしょうが、※※さんのところは一人で中間管理機構やっているようなものですね。

参加者 そうですね。市長が分かりやすく言っていただきましたとおり、一人中間管理機構をやっていますが、隣の岐阜県の海津市では一区画が2haもあります。この辺だと広くても3反くらいですから、1枚が7分の1くらいですよね。中間管理機構の話を聞いたときは、私の地区はまとまらないので無理だな、と思っていて、待っていてもしょうがないので中間管理機構が本格化するまでに、できるかぎり自分たちで動いていてみようと思いました。始めて1年でだいぶ楽になったなと実感していましたが、もうこれで4年経って全部やりきりました。本当は中間管理機構がうまく機能すれば最高だと思います。みんなが仕事を土日休めるくらいになる、というのは大げさかもしれませんが、それくらい仕事が速く効率化できると思います。

市長 それは水稲に限ることですか。

参加者 いや。そんなことはないですが。この地区ほど、農家が何人もいらっしゃると、例えば隣同士でAさん、Bさん、Cさん、・・・と、そんな状態でたくさんの農家が作るよりも、ある程度の田んぼをまとめて、この範囲はAさん、この範囲はBさんとまとめていくと仕事も速くなりますし、畦をとったりするのも、隣の人が違うものを作付けしていたりするとできませんが、できるようになります。

参加者 要望なんですが、※※さんと同じように自分が管理している土地の中で、畦畔をとばしたりし始めているんですが、いま、一番問題になっているのは、境界がどこになっているのか分からなくなるということです。同じ地権者が所有する田んぼの境界が分からなくてもなんとかなるんですが、耕作放棄地もいくつか手がけさせてもらって作った実績があるので、これからもっと耕作する田んぼを増やしていきたいと思うと、ある地区でこの耕作放棄地の耕作をやってほしいとお話をいただくのですが、田んぼなら畦畔があるからいいんですが、畑だとどこが境界なのかわからない中でやってくれと言われることが多いんです。やりたい気持ちはあるんですが、動けずにいます。鈴鹿市では地震の津波に備えて、市の東部からGISで区画の確定を進めていると聞いています。それを畑地でもやっていただければ、畦畔の位置が分からなくなりませんので、売ったり貸したりするときにも必ず同じように現状回復できます。これから機械は間違いなくどんどん大きくなっていくと思いますので、それならばできるだけ大きな圃場で作業したいと思っています。勝手に畦をとばしてしまったら、今の代ではもめなくても、今の所有者の方が亡くなったとき、もめることが容易に想像できますので、お金のかかることですから簡単なことではないと思いますが、市の予算で全域をやってほしいとは言いませんが、区画だけでも確定していただけたら、自分たちでどんどん畦も飛ばして使いやすいようにできると思います。自分の田んぼがどこまでなのかはっきりしないうちに畦畔を飛ばしてしまうと、もめてしまって取り返しがつかないことになってしまいますので、予算がつくのであれば、ぜひ境界の確定をしていただけるとありがたいと思います。

市長 耕作放棄地に関する問題が進めば、このような要望が出てくるのかもしれませんが、現状はいかがでしょうか。

農林水産課長 現状ではそこまでやれていません。きちんと区画を整理していただいた上で、委託を受けていただくという形が全てです。

補助金について

参加者 耕作放棄地解消の委託なんですけど、5月くらいに審査があるんでしたよね。

農政GL 協議会ですね。

参加者 はい。地元から耕作放棄地を解消してほしいと依頼があり、4月から田植えするんですが、その時点で解消してしまうと、耕作放棄地としてみなしてもらえず、耕作放棄地解消補助の5万円がもらえないんです。それをもらおうと思うと、1年荒れた状態にしなくてはだめなんです。放棄地にするのがいやで頼んでもらっているので、仕方なく田植えするしかありません。もう少しスケジュールを考慮してもらえればいいと思います。田植えが始まる前に解消して、準備をしておきたいんです。

農政GL おっしゃるように、このようなご意見をたくさんいただいています。ただ、これは国の補助事業であり、補助要件として、まずは申請をあげていただいて、それが受け付けられた段階から耕作放棄地の解消にあたっていただくということが決められております。実際、放棄地の解消の作業していただく方の話を聞きますと、なんとかしてほしいということを言われておりますので、市としても国に要望しているところですが、なかなか一度決まったものを覆すことができないと言われまして、改善できておりません。

参加者 スケジュールを変えることができないということであれば、現況を立会いいただき、状況を写真におさめていただいてから、審査していただき、放棄地の解消ができていれば補助金の支払いをしていただくという方法ではいけませんか。

農政GL その方法では補助金の支払いはできません。申請があってから初めて現地確認を行う必要があります。補助事業であり、会計検査もありますので、現地確認写真や申請以降に解消するという国の要件に従って順を追って事業が遂行できているかということを確認されます。

市長 国の条件が現実の作業状況と合っていないんですね。

参加者 水稲じゃなかったら、大丈夫かもしれません。畑だったら大丈夫です。

市長 現実に水稲でも耕作放棄がありますので、いまの国のやり方では放棄地の解消ができないということですね。

参加者 解消はさせてもらっているんですが、補助金ももらえるものはもらいたいというのが本音です。一年荒らせというのも、ちょっと違うと思うんです。もし改善できるのであればぜひお願いします。

市長 さっき言われた土地の確定についてですが、鈴鹿市では特に津波の問題があってから、自分たちの家が流されたときに現状回復ができるように海岸のほうから地籍調査を進めている状況なので、これは国や県になるべく早く進めていただけるようにと要請しているところですが、なかなか進んでいない現状です。耕作放棄地に限らず他の用途のところでも進めてほしいという話があるのも事実なので、今の段階でどこまでやれるかお約束はできません。地籍調査は地元の方にお願いしてちゃんと杭も打って、境界を決めていかないといけませんし、法務局の図面を直すのにも、結構時間がかかりますので、このご意見は課題の一つとして、いろんな研究や調査を進めて行きたいと思います。ありがとうございます。景観についても、ご意見いただいていましたが、田んぼアートのことでしょうか。

参加者 田んぼアートのことを指して言った訳ではないんですが、畦草が伸びていくと農道を走る車が見えなくなって交通事故が起きやすくなったり、ゴミが不法投棄され見た目にもよくありません。鈴鹿サーキットに来てもらった方が、鈴鹿の道路を走った時に「この辺綺麗だな」と思っていただけることも一つ鈴鹿の魅力になるのではないかなという意味で言わせてもらいました。また、私は畦草の除草剤を少なくしていこうという取り組みをしています。お客さんから聞いた話なんですが、私が住んでいる※※※は、畦草を除草剤で枯らす人があまりいないんです。畦が赤くない地域だからという理由でここの米を買いたいという話がありました。そんな見方をしてくれるということに衝撃を覚えました。少しでも薬を使わないようにというポリシーでやっているんですけども、これも一つの環境保全ではないですが、食に対して意識が高い地域として世間から認められれば、それも一つの魅力になるのではないかな、と思っています。

市長 田んぼを含め農地は遊水機能としての役割もあると思いますが、耕作放棄地化が進むと昨今のゲリラ豪雨や台風時期に、田んぼの貯水機能が果せなくなってしまいます。そういう意味でも非常に大事だと思っていますし、今お話いただいた道路とか景観、交通対策という面でも大事なので地域での保全作業も皆さんにお世話になっておりますけども、※※※のように意識が高い地域があるという事を再認識させていだいて、さまざまな機会にお話させていただきたいと思います。働き方改革も含め、農地をどういう風に集約していき団地化していくかということや、将来に渡って農業の可能性が広がっていると思います。それぞれがこれから先、さまざまな試行品種が鈴鹿から生まれてきて、直売所や六次産業化も実践できるかもしれません。あの時はあんなこと言っていたけど、10年後はこんな風になったよね、とそのような農業の展開が鈴鹿市でもできれば、と思います。東京などからも鈴鹿にはおいしい野菜が一杯あるのでぜひ使わせていただきたいとかレストランと契約を結んでいるとか、そんなことが三重県でもたくさんあると話を伺っていますので、そういう分野でも皆さんが活躍できるような場の提供や環境整備をしていくのは私たちの仕事だと思っていますので、これからも発言をしていきたいと思いますし、政策にも結び付けたいと思います。今日、皆さんにお話を伺って、農業や農家、担い手などに関する考え方やイメージが、この1時間15分でとても変わりました。少し違うイメージを持っていたんですが、皆さんのお話を聞くと、今まで持っていたイメージと現実は違うのだと思いましたので、少し奇策かな、と思うような政策も、もしかしたら、農業者の皆さんに相談させてもらえばご賛同いただけるかもしれませんし、新しい事業のヒントにも繋がったので、これを機会に皆さん方と話といいますか、勉強会をさせていただきたいと思いますので、今後とも御協力を頂きたいと思います。最後に、お一言ずつご意見を頂戴したいと思います。

参加者 本日は貴重な機会をありがとうございます。もう一つお願いがあるんですが、今年から新規需要米という、昨年まで国からの補助金で耕畜連携と二毛作助成というのとそれぞれ10aごとに交付されるものがあったんですが、今年からそれが全て再生協議会におりてきまして産地交付金と言う形でまとめられてしまいました。具体的にいくらになるのか分からないんですが、減額の方向だと伺っています。その中で弊社は耕畜連携に長く尽力してきまして、稲のホールクロップサイレージを作り鈴鹿市内の酪農家に出荷して、それを食べた牛から出た糞をまた田んぼに戻すというような取り組みをずっと続けてきているんですが、これが減額の方向になっていくと厳しくなってきます。地域資源を有効活用するという意味で、とても意義のある活動なのかな、と思っておりまして、特に鈴鹿市内の酪農家さんも全国的にも搾乳量が多くレベルの高い方の中で、ネックになってくるのが今後規模を拡大しようとしたときに糞尿の処理がネックになって増頭ができないということだとお客さんからよく伺います。堆肥をそれなりの面積の田んぼに戻すことで、弊社としても肥料が減らせますし、酪農家さんとしても処理に困っている糞尿を活用できるというところで、手前味噌になりますけども、とても意義のある活動であり、資源の循環ということで意義のある取り組みだと思っています。ただ、補助金が減額され、これまで出来てきたこの循環が一回ストップしてしまうと、いろいろと不具合が出てくることが予想されますので、なるべく減額の無いようにしていただけるとありがたいと思います。今日はありがとうございました。

参加者 今日は貴重な時間をありがとうございました。※※君のように、自分で野菜を作ったり売ったりとか直売に力を入れていく人がいる中で、僕はそっちはあんまり得意ではないので、一次産業的な立場で大量生産、大量出荷しています。二極化してもいいと思うので、無理はせず、自分の得意なところでこれからもどんどん勝負して行きたいと思っています。まずは一人中間管理機構をこれからもどんどん進めて頑張っていきたいと思います。今日はありがとうございました。

参加者 今日はありがとうございました。先ほども言ったのですが、現在は行政が変われば変わってしまうような農業をやっているものですから、行政や補助金に頼らない農業をやっていって、体力を付けていきたいと思っています。ただ、国からの政策で補助が出ているものはいただけるものはいただきたいな、と思っておりまして、JAを通じて市に補助について尋ねてみても、市としてもよく分からないと言われてしまうとJAから返事がきます。国の政策なのに市や県が把握できていないということを改善していただいて担当の部署の方々が私達担い手に情報を降ろしていただけると、もっと農業がやりやすくなると思いますので、ぜひ情報の配信をしていただきたいと思います。そういうことも考えていただいて、よろしくお願いします。

参加者 今日はありがとうございました。私もどうせ作るのなら行き先の分かっているものを作るほうが楽しいので、飲食店や加工業者にこういうものがほしいという要望のマッチングをしてもらえると、私達も可能ならそれを作りたいし、鈴鹿市内で使われるとやりがいがありますので、そういうことも考えていただきたいと思います。今日はありがとうございました。

参加者 今日はありがとうございます。先ほどの減反施策の話で少し補足ではないですが、現時点で減反施策って平成30年度にと決まっているんですけども、その先でまだブロックローテーションを続けてほしいという要望があったり、現時点で未来が不透明なところなんです。すでに決定しているのならば動きようもあるんですが、あいまいな返事が一番厳しいです。もう来年の米などの段取りも始まっていて、そういうあいまいさが僕らに重くのしかかっています。もちろん補助金に頼らない農業が一番なんですが、私達はまだ経営に体力がなく、一年間お米がとれなかったらかなり大打撃で、もう農業を継続できないという状況で経営していて、もっと力をつけていくことを目標にしてやっていきたいと思います。ところで市の単独補助金が無くなってしまうとも聞いているんですが、分かることがあれば教えてください。

市長 麦は当面なくならないと思います。市でそれをインセンティブにしていただいて、なるべくブロックローテーションが上手にいくように、あるいは少しでも減反施策がうまくいくように始めたもので他市にはあまりないので、逆に鈴鹿市にとってはいいインセンティブになっているのかなと思っています。財政状況厳しいところではありますけども、最初に申し上げたように鈴鹿市も農業の特産市と言いますか農業で支えていただいている市ですので、そういう意味でもこのようないい政策については、できるだけ延長をしていきたいと思っています。今まで続いたという事は、それが皆さんにとって非常によいものだという理解をしていますし、毎年見直しというか、金額は若干見直しがあり得るところは申し訳ないと思いますが、根本的にそれをなくしていくということは考えておりませんので、安心してぜひ続けていただきたいと思っておりますのでよろしくお願いします。

参加者 わかりました。ありがとうございます。

市長 どうもありがとうございました。たくさんご意見いただいて本当さっき申し上げたとおりすごく勉強になりました。これから六次産業化や地産地消を含めて力を入れていく点、それから※※さんがおっしゃったように二極化をしていくのだと理解できましたし、それぞれが得意なところを得意なように伸ばしながら、またお互いが協力し合いながら一つの鈴鹿市の農業というものを盛んにしていっていただける基礎を皆さん方から今後もいろいろなご提案をいただけたらなと思っています。先ほど※※さんがおっしゃったように、国の政策が最近めまぐるしく農業を取り巻く状況が日々変わってきていますので、国から降りてくる情報が非常に遅いという状況があります。私たちのところに情報が来たときは、もう一週間後には農家の皆さんにお伝えしなくてはいけない状況であったり、返事をもらわなくてはいけないというときもありますので、国になるべく早い段階で教えていただきたいと要請しています。こちらでも一旦解釈して施策として組み立てていくという時間すら無い状況になっていますので、農業に限らず福祉でもそうですけど、最近の傾向としてこのような事態になっておりますので、しっかり国に申し上げることは申し上げ、来た情報はなるべく早い段階で皆さん方にお知らせができるようにしたいと思っておりますので、私どももしっかり勉強してまいります。それから、農業はこれまで国主導、国の政策中心に動いているところがあるんですけれども、今日の話を聞いていると、現状のままではなくこういうところで力を入れたらできるんだ、っていうところをたくさん皆さん方から教えていただけたましたので、これから市として、市の農業をどのように考えていくか示して行きたいと思います。その一つとしてスマートインターチェンジの利活用や周辺の優良農地の団地化ということが農業の皆さん方にとって少し起爆剤になるようにしていきたいと思いますので、その際にも早めにご相談や意見交換させていただいて、皆さんにしっかり利活用いただけるようにしてまいりたいと思っております。今後もぜひご指導賜りたいと思いますのでよろしくお願いします。大変勉強になりました。今後ともよろしくお願いします。今日はありがとうございました。

※この会議録は、要約しています。

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