伝統産業
伊勢形紙


「伊勢型紙」は、着物や浴衣などの生地に、柄や文様を染めるために用いられる伝統的な染色用具です。
その歴史は古く、室町時代にはすでに使用されていたと考えられています。
和紙を柿渋で貼り合わせた型地紙に、彫刻刀で一つ一つ丁寧に文様を彫り抜いて作られます。
彫刻技法には、「引彫り(縞彫り)」「突彫り」「道具彫り」「錐彫り」の4種類があり、それぞれの技法を駆使して、繊細で美しい文様が生み出されます。
現在、伊勢型紙の伝統工芸士には、地紙部門で2名、彫り部門で7名、総合部門で1名の、合わせて10名が認定されています。
国内で流通している型紙の約99%が、鈴鹿市白子地区で作られる「伊勢型紙」とされており、日本の染色文化を支える重要な道具となっています。
近年では、染色用具としてだけではなく、建具やインテリア、美術工芸品などとしても活用され、その繊細な美しさが注目されています。
鈴鹿墨


「鈴鹿墨」は、奈良時代(780年頃)から続く長い歴史を持っている伝統的な墨です。
その製法は、鈴鹿産の肥松を焚いて、その煤から墨を作ったのが起源とされています。
上品で深みのある発色と、基線とにじみの美しい調和が特徴で、多くの書道家や水墨画家にも愛されています。
製造工程は、煤と膠の混ぜ合わせから始まり、形に入れ、乾燥後仕上げをします。
完成までの間、約100日。永年積み重ねられた経験と勘によって、一つ一つ丁寧に作り上げられます。
現在、鈴鹿墨の伝統工芸士には、2名が認定されています。
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