史跡 伊勢国府跡(政庁地区)
- タイトル
- 史跡 伊勢国府跡(政庁地区)
- タイトル(よみ)
- しせき いせこくふあと せいちょうちく
- 解説
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国府の政庁(国庁)は国府の中でも最も重要な施設で、国司を中心にした儀式と饗宴や政務の一部が行われていたとされています。
1993年から1995年にかけて実施した発掘調査で、鈴鹿市広瀬町・西冨田町にまたがる長者屋敷遺跡で正殿・後殿・東西脇殿・軒廊と考えられる建物基壇、築地塀が確認されました。その後、1999年の調査で南門を確認したことで、ほぼ全容が明らかとなり、主要な建物はすべて格式の高い瓦葺礎石建物であることがわかりました。また、出土した瓦の年代観から、奈良時代中頃から後半にかけての伊勢国府の政庁であると考えています。
現在、正殿、後殿、正殿と後殿をつなぐ軒廊、東脇殿の一部の基壇の高まりが林の中に残っています。後殿の発掘調査で礎石を据えるための根石、瓦を使った地覆(建物の土台)が確認され、ほぼ当時の高さのまま残っていたことがわかりました。全国的に見てもこれほど残りの良い政庁跡はありません。
国府の政庁の建物配置は地域的に共通はみられるものの、まったく同じではありません。そのような中で伊勢国府と近江国府の政庁は酷似する点は国府等の地方官衙の研究において重要な成果といえます。
1999年から2000年の調査で、政庁の西側に同規模の区画と瓦葺礎石建物1棟を確認しました。この区画のの性格は、政庁の機能を分掌し、補完する施設であったと考えられ、「西院」と呼んでいます。
これらの発掘調査成果を受けて,2002(平成14)年3月19日に,矢下地区の政庁跡は南野・長塚地区の官衙群(北方官衙)とともに国の史跡に指定されました。
- 遺跡所在地
- 鈴鹿市広瀬町 ・ 西冨田町
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