施政方針

平成25年3月市議会定例会


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 平成25年3月市議会定例会の開会にあたり、市政運営の基本方針および、平成25年度予算編成に対する基本的な考え方について申し上げます。

1 市政運営の基本方針

昨年を振り返り

 市長に就任し、2回目の予算編成を迎えました。

 平成24年は、市制施行70周年という節目の年として、この1年を新たなまちづくりにつなげる年と位置付け、市民の皆さまとともに多くの事業を実施することができました。

 特に、市民主導による自主的な事業が数多く展開されましたことは、市政にとりまして非常に意義のあることと感じております。

 私も、多くの事業に参加させていただき、イベントなどを主催する市民の皆さまの熱意、あるいは参加された方々の元気を対話の中で感じ取ることができました。それらの芽生えた取り組みを今後に活かし、希望の持てるまちづくりにつなげていきたいと考えております。

 ここで、市内経済に目を向けますと、本格的な景気回復はまだまだですが、自動車産業を中心に企業活動に回復の兆しがみられ、徐々に明るさが感じられるようになりました。

 また、鈴鹿F1日本グランプリでは小林可夢偉選手が3位に入賞したことで非常に盛り上がったグランプリとなり、「鈴鹿」の名が今まで以上に大きく発信されたほか、ロンドンパラリンピックでは、本市在住の車いすランナーである伊藤智也選手が3つの銀メダルを獲得するなど、大きな感動と勇気をいただくことができました。

 厳しい社会経済情勢が続く中、本市にとりましては、明るい話題がいくつかあった1年だったと感じております。

 そして、巳年である本年、本市は71年目を迎えますが、将来に向けてスパイラルアップすることができるように、市民の皆さまのまちづくりへの思いが、さらに上昇機運に乗じていくよう決意を新たに市政に取り組んでまいります。

まちづくりに欠かせない安心感

 国では、新政権がデフレの克服による「経済再生」を最大かつ喫緊の課題とし、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」の3つを基本方針とする「アベノミクス」と呼ばれる経済政策を展開しようとしております。

 一日も早い日本経済の回復が望まれますが、「経済」は「景気」、そして「景気」は「気」からともよく言われます。

 このことは、地域のまちづくりにも非常に似たようなところがあり、持続的で発展可能な、元気で明るいまちづくりを行うためには、市民の皆さまに期待と希望を感じていただくことで、閉塞感を打破していくことが必要になってまいります。

 そこで、私は、市民の皆さまが安心を実感し、将来に向けて確かな展望が抱けるような市政運営をめざして取り組んでまいります。

 これからがまさに「新生SUZUKA発進」の時であり、人口減少、不確実性といった地域を取巻く社会環境に負けずに、さらに前へ前へと進むことができる市政を実現するために、全力を投じてまいります。

 期待と希望を持てるまちとは、言い換えると、住んで良かった、これからも住み続けたいと思えるまちではないでしょうか。

 第5次鈴鹿市総合計画「みんなで築く鈴鹿夢プラン」における将来都市像は、「市民一人ひとりが夢や生きがいをもって安心して暮らせるまち すずか」であり、誰もが生活を営むさまざまな場面で希望を持ち、安心して生活ができることが重要になってまいります。

 そのためには、「鈴鹿」というまちに暮らす方々が、それぞれの日常生活において不安を感じることなく、将来を前向きに捉えることができるように市政を推進していく必要があります。

 例えば、市民の皆さまが生命や財産の安全、安心を常に実感し生活を営むことができる環境、また、将来を担う子どもたちが安心して健やかに成長できる環境、高齢者や障がい者の方が生きがいをもって安心して生活を営むことができる環境などを整備していくことこそが、将来都市像の実現につながってまいります。

 そこで、さまざまな社会経済情勢や本市の置かれている状況を踏まえ、特に実現に向けて推進しなければならない取り組みについて申し上げます。

かけがえのない市民の生命を守るために

 安全、あるいは安心という言葉から、まず頭に思い浮かぶのが生命や財産の安全、安心であると考えます。自分の住むまちが災害や危機に強く、常に安心して住むことができるまちであると実感できれば、それは理想的なまちであると言えます。

 東日本大震災以降、全国で防災、減災の取り組みがこれまで以上に進められておりますが、私も市政を預かる者として、第一にかけがえのない市民の皆さまの生命や財産を守ることができるまちづくりを推進していきたいと考えております。

 就任後に、私はすぐに東日本大震災の被災地である宮城県石巻市を訪問いたしましたが、その際に自分の目で見て、そして肌で感じ取ったものを市政に活かしていこうと決断し、これまで取り組んでまいりました。

 具体的には、行政の組織面として、防災危機管理課を設置し、災害のみならず幅広い危機に対応できるように、危機管理指針や危機対策計画の策定など危機管理体制の構築に向けた取り組みを行っております。

 ハード面としては、防災拠点となる新消防庁舎が竣工したほか、防災スピーカーやFMラジオによる一斉通報システムの整備など、災害に強い構造のまちづくりを進めており、これらの機能を有効に活かした取り組みを今後推進してまいります。

 また、ソフト面においては、津波ハザードマップの作成などによる市民の皆さまへの情報提供や自主防災組織の育成、津波避難ビル協定など、民間との協働による取り組みも進めており、今後も地域との連携を図りながら、安全、安心の確保に努めてまいります。

 大規模災害など、さまざまな危機を全て回避することは、行政の取り組みだけでは実現できるものではありませんので、危機に強い行政組織や都市基盤を整備すると同時に、危機に強い地域や市民を育てていくことにも力を注いでまいります。

 東日本大震災以降、特に、「地域の絆」といった点が注目されております。このことから、防災訓練や防災教育、自主防災組織の育成など地域における自主防災力を引き続き強化するほか、防災、減災に関する知識や情報を市民の皆さまと最大限共有することで、市民と市民、市民と行政が互いに協働し「自分たちの地域は自分たちで守る」という絆づくりが深まるよう取り組んでまいります。

 東南海地震など、本市に大きく影響する大規模地震の発生確率や被害想定が見直され、ますます市民の皆さまの生命を守る取り組みの必要性は高まりますが、防災、減災に関する取り組みをさらに推進し、どのような事態にも対応できる危機に強いまちづくりをめざしてまいります。

豊かで安定した市民生活の実現のために

 次に、安心して鈴鹿市に住んでいただくためには、安定した生活を営むことができる環境整備が必要と考えております。

 本市は、農業、水産業、商業、工業、サービス業などバランスのとれた産業構造を有していることが強みであり、その強みをさらに活かし、市民生活の安定を図ってまいります。

 昨年4月には、新名神高速道路の(仮称)鈴鹿パーキングエリアにおけるスマートインターチェンジの連結許可をいただきましたので、平成30年度内の開通に向けてアクセス道路の整備を行うとともに、周辺地域の土地活用のあり方について検討してまいります。

 市内経済を活性化させる上で、物流あるいは交流の拡大が期待できることから、設置される本市西部地域はもとより市内全域にその効果が及ぶよう、地域住民や経済団体をはじめ関係機関と一丸となって取り組みを進めてまいります。

 一方、東の玄関口である近鉄白子駅の駅前広場についても整備が進み、以前と比べて大きな変化が感じられるようになってまいりました。交通ターミナル機能の充実、道路交通の円滑化はもちろんのこと、ますます市民の皆さまや来訪者に愛され利用される「鈴鹿」の顔となり、まちの活性化に貢献できるよう取り組みを推進してまいります。

 また、全国では今後成長すると思われる分野において新たな挑戦が始まっております。三重県においても、昨年7月に、みえライフイノベーション総合特区が認定され、その中で県内に設置される6つの地域拠点の1つが本市に位置付けられました。これは、今後の日本経済の柱となる成長産業として医療、福祉、健康分野を位置づけ産業振興を図るものですが、今後は、鈴鹿医療科学大学を運営主体として、関係機関が連携しながら取り組みを進めていくことになります。さらに、鈴鹿医療科学大学白子キャンパス内には、先端ロボット技術として世界的に注目を集めているロボットスーツHALを開発したサイバーダイン株式会社の中部・近畿拠点が設置され、今後の展開が大きく期待されております。

 未来志向の技術へのチャレンジ、そして、その実現は想像しただけでも夢のあるものです。このような取り組みが本市において行われることから、市内の技術力を持った企業との連携や、高齢者および障がい者福祉の向上、健康の増進にも結び付けることができるように取り組んでまいります。

夢や生きがいをもてる市民生活の実現のために

 同時に、夢や生きがいをもつことのできる安定した生活の実現のためには、本市の将来を担う子どもたちが健やかに育ち、あるいは、高齢者や障がい者の方などが安心して生活できる環境整備が必要となってまいります。

 そこで、教育に加えて、子育て、子育ちの観点から、教育施設の整備や子育て支援などに積極的に取り組んでまいります。

 また、高齢者および障がい者福祉の観点から、住み慣れた地域で、安心して暮らし続けることが出来るよう「高齢者福祉計画」、「すずかハートフルプラン」に基づく各種取り組みを推進してまいります。

 このほかにも、文化、スポーツの振興などを推進し、特にスポーツの分野においては、平成30年に全国高等学校総合体育大会が三重県を中心とした東海ブロックで、また、平成33年に国民体育大会が三重県で開催されますことから、計画的な環境整備を進めてまいります。さらに、再生可能エネルギーの比率向上や自立分散型エネルギーの創出、エネルギーの地産地消などスマートシティの取り組みを推進し、快適で住みよいまちづくりを行ってまいります。

まちづくりに欠かせない市民との協働

 さて、これまで市政運営の基本的な考え方を申し上げてまいりましたが、これらの実現には、市民の皆さまとの協働が不可欠となってまいります。幅広い市民の皆さまとの協働を進めることこそが、まちづくりの小さな一歩を、大きな歩みに発展させる原動力になると確信しております。

 私は、これまでも対話と協働を重視し、事業を企画、実施する際などの審議会や委員会における市民委員の公募など、可能な限り市政への市民の皆さまの参画を促進してまいりました。

 また、「市長と話そう!鈴鹿(まち)づくりミーティング」をはじめとしたさまざまな事業、イベントなどの機会を通して、積極的に市民の皆さまと接し、今何が求められているのか、それにはどう対応すべきかを常に考え、市政を運営してまいりました。

 昨年、市議会におかれましては議会基本条例を制定されましたが、市においても、まちづくり基本条例を制定し、今後は条例の理念に基づき、市民や議会の皆さまと協働でまちづくりを進める新しい仕組みやルール作りを行ってまいります。

 さらに、これからは女性の積極的な社会参画が必要不可欠であると認識し、男女共同参画社会のさらなる実現に向けて取り組みを進めるために、男女共同参画都市宣言を行ったところでございます。

 これらの取り組みを市民の皆さまとともに着実に進めることで、市民主体の市政運営を実現し、少子高齢化社会を乗り越えることができるまちづくりにつなげてまいりたいと考えております。

安定的な市政運営のために

 本市が、持続的な成長、発展を遂げるためには、安定した経営資源の獲得が必要となります。

 このことから、私自身が先頭に立って、本市の魅力や個性を発信し続け、人材や財源、ノウハウなどのまちづくりに必要な経営資源の獲得に向けて、より積極的に取り組んでまいります。

 本市は、既に圧倒的な知名度があると言われておりますが、この優位性を活かしながら、シティセールスを推進してまいります。

 本年3月には、本市の都市イメージキャッチコピーが決まりますが、今ある地域資源と連携し効果的に活用することで、更なる資源獲得につなげていくことができるように取り組んでまいります。

 また、産品やイベントなどで個性や魅力を発信する以外にも、魅力的な取り組みを実現しPRすることもシティセールスにつながりますので、さまざまな取り組みをシティセールスに結びつけ、新たな資源の獲得ができるように努めてまいります。

2 予算編成に対する基本的な考え方

 次に、新年度の予算編成にあたっての基本的な考え方および、重点的に取り組む事業の概要について申し上げます。

 平成24年度は私が編成した初めての予算でありました。そして、第3期行財政経営計画および実施計画を策定し、将来に向けて持続可能な都市を創り上げていくために、「種を蒔く」1年と位置付け、厳しい財政状況ではありましたが、積極的な予算編成を行ないました。

 そこで、2年目となる平成25年度は、蒔いた種が元気に花を咲かせ、そして大きな実を結ぶために、確実に成長させる1年と位置付け、本市の将来を見据えながら、持続と成長に欠かせない分野に重点的に予算を配分しております。

(1)かけがえのない市民の生命を守るために

 まず、生命を守るための安全、安心について、引き続き防災、減災に向けた取り組みを推進してまいります。

 ハード面では、渚雨水ポンプ場の建設着手、金沢雨水幹線をはじめとする雨水施設の整備、橋りょう耐震化計画に基づく橋りょうの耐震改修、小中学校屋内運動場の吊り天井改修および、ガラス飛散防止や備品などの転落防止器具の取り付けなどによる児童、生徒など利用者の安全および避難所としての機能確保を図るための取り組み、消防団栄分団の車庫、待機所に関する施設整備、市民会館吊り天井の改修に係る設計などを行ってまいります。

 ソフト面においても、引き続き自主防災組織の育成や木造住宅の耐震補強工事費への助成など防災、減災のまちづくりを推進してまいります。

 また、緊急時における生命を守るために、救急救命士養成人数の増加や、救急情報ネックレス配布による救急、救護の円滑化など救急体制の充実を図るほか、防犯団体育成などの防犯事業、通学路の緊急合同点検を受けての歩道整備事業などの交通安全の推進にも取り組んでまいります。

(2)豊かで安定した市民生活の実現のために

 次に、市民の皆さまが豊かさを実感し安定した生活を営むための取り組みについて申し上げます。

 その一つとして、産業の創出による活性化については、市内中小製造業者等と大学等との共同研究による新技術開発への支援としてモノづくり元気企業支援事業を実施するほか、農水産品生産者、関連事業者等が行う市内農水産品等を活用した新商品開発、販路拡大への支援としてメイドインSUZUKA応援事業を実施いたします。また、昨年度実施した事業内容を見直し、対象工事等の拡充等を図った地域経済対策住宅リフォーム等促進事業や、農業の担い手育成支援、商店街の基盤整備支援、伝統的工芸品産業の振興、漁港施設の機能保全にも取り組み、産業の維持、経済の活性化を図ってまいります。

 一方で、経済や交流を活性化させるための基盤整備として、(仮称)鈴鹿パーキングエリアへのアクセス道路整備や中勢バイパス関連道路整備、汲川原橋徳田線などの幹線道路の整備、優先度の高い道路の新設改良など、物流や交流のための移動円滑化に向けた取り組みを推進してまいります。

(3)夢や生きがいをもてる市民生活の実現のために

 次に、教育や子育て、子育ちについては、平成26年8月に竣工予定の平田野中学校の施設整備を推進するほか、平成27年4月からの中学校給食実現に向けた第二学校給食センター施設整備など教育振興のための取り組みを推進してまいります。

 また、理科教育の推進支援や学校図書館の機能強化、子どもたちの学力向上のための特色ある学校づくりへの支援、私立保育園の施設整備に対する補助のほか、教育研究所が所管する教育相談に係る業務を子ども家庭支援室に移管し、子どもに関する相談窓口を一元化するとともに相談体制の強化を図ってまいります。この相談窓口の一元化を全体的な家庭支援の第一歩と考え、保健、福祉、教育の各分野で行ってきた支援を総合的にコーディネートすることができる専門性の高い充実した支援体制を構築してまいります。

 医療、健康については、2次救急医療機関のMRI機器購入費に対する支援による医療環境の整備や、予防接種費助成の対象拡充、高齢者肺炎球菌ワクチン接種費助成など、健康づくりへの支援を継続して行ってまいります。

 障がい者福祉については、みえライフイノベーション総合特区の鈴鹿地域拠点と連携し、サイバーダイン株式会社のHALの先進的プログラムを活用した訓練費用に対する助成により、身体障がい者の方の機能回復への支援を実施いたします。また、障がい者の方の就労をテーマにしたイベントを開催し、就労支援と「障がい」への理解を深める取り組みを進めてまいります。

 文化振興については、市内の大学等と連携し(仮称)市民大学の開校や音楽など芸術文化活動への支援を行ってまいります。

 このほか、クリーンエネルギー自動車の普及促進に関する支援の継続や、国際交流、多文化共生の推進、コンビニエンスストアにおける証明書などの発行サービスの実施に向けた取り組みなど、生活環境や市民サービスの向上を図ってまいります。

3 行政経営の強化

新たな行財政改革の推進

 さて、社会経済環境の変化や、厳しい財政状況の中にあって、着実に市政を推進するためには、行政経営のシステムも強化しなければなりません。これまでも「行財政改革」については、その時々の社会情勢を反映する形でその方向性を定め取り組んでまいりましたが、特に基礎自治体としての自己決定と自己責任に基づいた行政経営を行う、いわゆる自治力の強化に重点を置き、昨年3月に新たな「鈴鹿市行財政改革大綱」を策定いたしました。

 さらに、10月には、トップマネジメントによって推進する取り組みの具体的な行動計画として、本大綱に基づく具体的な取り組みを定めた「行財政改革アクションプラン」を策定したところでございます。

 財政改革、人材育成改革、仕組み改革の3つの分野において17の取り組みを掲げておりますが、庁内一丸となって組織横断的に推進を図っております。

 また、第3期行財政経営計画に基づき、着実に施策を遂行するとともにその進捗状況をより適正に検証するために、総合計画の進行管理を目的とした外部評価を試行し、市民参加に基づく行政経営をめざしてまいります。

4 むすび

 以上、平成25年度の市政運営の基本方針および、予算編成に対する基本的な考え方などについて申し上げました。

 本市が、これからも持続、発展していくためには、現在の課題を的確に認識し、10年後、20年後を見据えた長期的な見地に立って、何を優先的に取り組むべきかを考え、市民の皆さまが、本市に住んで良かった、住み続けたいと思っていただけるようなまちづくりを推進していかなければなりません。

 そのためには、市議会の皆さまや市民の皆さまとより一層連携し、一体感を持って市政運営に臨まなければならないと考えておりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。